室内排気型石油ストーブやファンヒーターの燃焼で発生する水蒸気の量について

化学

室内排気型石油ストーブやファンヒーターを使うとき、燃焼によってどのくらいの水蒸気が発生するのか気になる方も多いでしょう。燃料として使用される石油は炭化水素であり、燃焼中に水蒸気が発生します。本記事では、1リットルの石油が燃焼することでどのくらいの水蒸気が発生するのか、化学式に基づいて解説します。

石油の化学反応と水蒸気の発生

石油(主にC12H26などの炭化水素)を燃焼させると、酸素(O2)と反応して二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が生成されます。燃焼反応の化学式は次のようになります。

C12H26 + 18.5 O2 → 12 CO2 + 13 H2O

この反応により、1分子の炭化水素(C12H26)が燃焼すると、13分子の水分子(H2O)が生成されます。したがって、石油を燃やすと必ず水蒸気が発生することになります。

1リットルの石油で発生する水蒸気の量

石油の密度は約0.8 g/mLであるため、1リットル(1000 mL)の石油の質量は800g程度です。石油1gあたりの分子量を計算するためには、石油の化学式に基づいて、炭化水素分子の分子量を求めます。C12H26の分子量は約170 g/molです。

したがって、1リットルの石油(800g)には、800 / 170 ≈ 4.71モルのC12H26分子が含まれています。この分子が完全燃焼することで、発生する水のモル数は次のように計算できます。

4.71モル × 13(H2Oの分子数) ≈ 61.23モルの水が発生します。

水の分子量は約18 g/molなので、発生する水の質量は61.23モル × 18 g/mol ≈ 1102.14gです。これを水蒸気に換算すると、約1.1kgの水蒸気が発生することがわかります。

温度と湿度の影響

石油ストーブやファンヒーターで発生する水蒸気は、温度や湿度に影響を与えます。水蒸気は室内の湿度を高め、一定の湿度を超えると、結露を引き起こすことがあります。特に密閉された部屋では、水蒸気が蓄積しやすく、換気を十分に行わないと不快な湿気が感じられることがあります。

まとめ

室内排気型石油ストーブやファンヒーターで1リットルの石油を燃焼させると、約1.1kgの水蒸気が発生します。この水蒸気は、燃焼による自然な生成物であり、室内の湿度に影響を与える可能性があります。特に密閉された空間での使用には換気が重要であり、室内環境の管理が必要です。

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