静電場とは？静止と定常の関係について解説

「静電場は静止している電荷の電場なのか？それとも定常な電場であれば動いていても構わないのか？」このような疑問は、電磁気学を学ぶ際によく浮かぶ質問です。この記事では、静電場とその定義、そして動いている電荷と静止した電荷の関係について解説します。

静電場の定義

静電場は、静止している電荷が生み出す電場を指します。電場とは、電荷が他の電荷に対して及ぼす力の空間的な分布です。静電場は、時間的に変化しない電場であり、電荷が静止している場合にのみ成り立ちます。一般的に、静電場はクーロン力に基づく力学的な法則に従います。

したがって、静電場は「静止している電荷から発生する電場」と言えます。動いている電荷が生み出す場は、静電場とは異なり、時間と空間の変化に伴って変化する電磁場となります。

定常な電場とは、時間的に変化しない電場のことを指します。静止した電荷から発生する電場は、この「定常な電場」に該当します。言い換えれば、静電場は定常な電場の一種と言えます。

動いている電荷が生み出す電場は、定常ではありません。運動している電荷が生み出す電場は、時間的に変化するため、電磁波や磁場といった新たな要素が関わってきます。これらの場は、静電場とは異なる動的な性質を持っています。

動いている電荷が生み出す場は、静電場とは異なり、時間的に変化する「変動する電場」として現れます。これにより、電場と磁場が相互に影響を与え合い、電磁場が形成されます。この場合、静電場とは言えません。

例えば、電子が静止している状態では、その周りに発生する電場は時間的に変化しませんが、電子が運動している場合、その周りの電場は時間的に変化し、動的な影響を与えます。このため、静止した電荷が作る静電場と、動いている電荷が作る場は明確に区別されます。

静電場は、静止した電荷から発生する定常な電場です。定常な電場は時間的に変化せず、電荷が静止している場合にのみ成り立ちます。動いている電荷から生じる場は、静電場とは異なり、時間的に変化する電場であり、電磁場を形成することになります。

従って、「静電場」と「定常な電場」は基本的には同じものですが、動いている電荷が作る電場は静電場ではないことを理解することが重要です。