物理の問題では、異なる温度の物質が混ざるときの最終的な温度を求めることがよくあります。今回は、氷と水を混ぜた際に発生する熱の移動をエネルギー保存の法則を使って計算する方法について解説します。具体的な数値を使って、氷と水の熱的なやり取りを計算し、最終的な温度を求める過程を見ていきます。
問題の設定と必要なデータ
問題では、3℃の水1000gに-25℃の氷20gを加えたときの最終温度t℃を求める問題です。ここで与えられているデータは以下の通りです。
- 水の比熱:4.2 J/g・K
- 氷の比熱:2.1 J/g・K
- 氷の融解熱:330 J/g
- 氷の質量:20g
- 水の質量:1000g
最終的な温度t℃を求めるために、エネルギー保存の法則を用いて熱の移動を計算します。
エネルギー保存則に基づく計算
エネルギー保存の法則によれば、氷が水に変わる過程での熱量の移動と、3℃の水が冷却される際の熱量の移動はバランスを取ります。まず、氷を温め、溶かし、そしてその後水として加熱するための必要な熱量を計算します。
氷の温度を-25℃から0℃に上げるための熱量(Q1)
氷を-25℃から0℃に温めるために必要な熱量は、次のように計算します。
Q1 = 20g × 2.1 J/g・K × 25K = 1050J
氷を0℃の水に変えるための熱量(Q2)
氷を0℃で水に変えるために必要な熱量は、氷の融解熱を使用して次のように計算します。
Q2 = 20g × 330 J/g = 6600J
水20gをt℃に加熱するための熱量(Q3)
20gの水を最終的な温度t℃に加熱するために必要な熱量は、次のように計算します。
Q3 = 20g × 4.2 J/g・K × t = 84tJ
水の熱量の減少(Q4)
3℃の水1000gが最終的にt℃になるために失う熱量は、次のように計算します。
Q4 = 1000g × 4.2 J/g・K × (3℃ – t) = 4200(3 – t) = 12600 – 4200t J
熱量のバランス
エネルギー保存の法則に従って、氷と水の熱量の移動をバランスさせます。すなわち、Q1 + Q2 + Q3 = Q4です。これを式で表すと。
1050 + 6600 + 84t = 12600 – 4200t
これを解くと。
4284t = 4950
t ≈ 1.16℃
まとめ
氷と水を混ぜたときの最終的な温度は、エネルギー保存の法則に基づいて計算することができます。問題で与えられたデータを使って計算した結果、最終的な温度は約1.16℃であることがわかります。この方法は、物理の問題を解くために非常に有効なアプローチです。


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