ラジアルボール盤での深孔加工において、切粉の排泄がうまくいかず、ドリルが折れてしまうことがあります。このようなトラブルを避けるために、どのような工夫が必要なのか、またドリルの選び方や加工条件について詳しく解説します。
深孔加工におけるドリルの選び方
深孔加工において、ドリルの選択が非常に重要です。特に5ミリから7ミリのサイズで深さ30ミリほどの加工を行う場合、ドリルの切れ味や形状が影響します。新品であっても、ドリルの材質や種類、刃先の設計が適切でないと、切削中に熱がこもりやすく、ドリルが折れる原因になります。
ドリルにはさまざまな種類があり、深孔加工専用のものや、刃先の冷却が容易にできるような設計のものもあります。適切なドリルを選ぶことがまずは重要です。
切削条件の最適化:回転数と送り速度
ラジアルボール盤での深孔加工を行う際には、回転数や送り速度も重要な要素です。一般的に、ドリルが折れる原因として、回転数が高すぎたり、送りが遅すぎたりすることが挙げられます。ドリルが切削中に過度の熱を発生させないように、回転数を適切に調整し、切粉をしっかり排出できるように送り速度を設定することが大切です。
また、冷却のためのクーラントや潤滑剤を使用することも、ドリルの長寿命を保つために有効です。切削温度が高すぎると、ドリルが急激に摩耗したり、折れたりする原因になります。
切粉排出の工夫:加工中の排出方法
深孔加工で問題となるのが、切粉の排出です。切粉が溜まると、加工面に傷をつけることになり、ドリルが詰まって折れる原因になります。適切な切粉排出のためには、ドリルの設計に加えて、加工中に切粉をうまく排出するための工夫が必要です。
具体的には、ドリルの冷却穴やスリットを利用して、切粉を外に押し出す仕組みを作ります。また、加工中にドリルを少し引き抜いて切粉を取り除く方法もあります。
加工時の位置決めと安定性
ラジアルボール盤での深孔加工では、ドリルの位置決めが精度に影響します。加工中にドリルがブレたり、位置がずれたりすると、加工面が傷つく原因になります。また、ドリルの取り付け部分がしっかり固定されていない場合にも、加工精度が低下する可能性があります。
ドリルの位置決めを安定させるためには、しっかりとしたクランプや、ドリルホルダーを使用することが必要です。加工する部品の固定も、精度を保つためには重要な要素です。
まとめ:深孔加工を成功させるためのポイント
ラジアルボール盤での深孔加工では、ドリル選び、切削条件、切粉排出、位置決めが重要なポイントとなります。ドリルが折れる原因には、いくつかの要素が絡んでいますが、適切なドリルの選定と、加工条件の最適化を行うことで、加工精度を高め、トラブルを避けることができます。
もし切削時に問題が発生した場合、加工条件を見直し、ドリルの選定や送り速度、冷却方法を調整することをお勧めします。


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