この問題では、気体がピストン内で膨張する際のエネルギーの変化と、それに伴う熱の移動についての理解が求められています。特に、温度が一定であることを前提に、なぜ内部エネルギーが一定であると仮定できるのか、またその理由について詳しく解説します。
温度一定時の内部エネルギーの変化
まず、問題にあるように気体の温度が一定である場合、理想気体の内部エネルギーは、絶対温度Tと物質量nに依存します。理想気体の内部エネルギーは、以下のように表せます。
U = (3/2)nRT
ここで、Rは気体定数、Tは絶対温度、nは物質量です。温度Tが一定であれば、Uの値は変化しません。つまり、内部エネルギーは温度に依存しており、温度が変わらなければ内部エネルギーも変わらないという原則が成り立ちます。このため、問題で仮定された「内部エネルギーが一定である」という前提は正当です。
熱の移動と仕事
次に、問題に出てきた熱Qと仕事Wについて考えます。気体が膨張する過程では、ピストンが上昇することにより、気体は膨張し、外部に対して仕事Wを行います。この膨張が進むことで、気体内部のエネルギーは変化しませんが、外部とのエネルギーのやりとりが発生します。
この過程では、外部から気体内部に熱が移動する必要があります。気体が膨張する際に仕事をするためには、エネルギー供給源が必要であり、その供給源が熱であると考えられます。したがって、Q in > 0 であることが確認できます。
圧力とピストンの動き
ピストンが上昇する間、圧力はどのように変化しているのでしょうか?圧力Pは、理想気体の状態方程式に基づき、温度Tと体積Vの関数として表されます。
P = nRT/V
温度Tが一定であり、気体が膨張することで体積Vが増加するため、圧力Pは減少します。この圧力の減少は、ピストンが上昇している間に見られる現象です。したがって、ピストンが上昇する間、圧力は減少していると考えられます。
まとめ
気体が膨張する過程において、温度が一定であれば内部エネルギーは一定であり、外部とのエネルギーのやりとりは熱の移動として行われます。ピストンが上昇する間に気体が行う仕事に対して、熱が外部から内部に移動することが必要です。また、圧力は体積が増加することで減少し、これは理想気体の状態方程式に基づく現象です。


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