パルスオキシメータは、血中酸素飽和度(SpO2)を測定するための便利な医療機器です。これを使用することで、酸素供給の状態を簡単に確認できます。パルスオキシメータの測定原理には吸光度が重要な役割を果たしていますが、具体的にどのように吸光度が使われているのかを解説します。
吸光度とは?
吸光度(absorbance)は、物質が光を吸収する能力を示す指標です。物質に光が当たると、その一部が吸収され、残りの光は透過します。吸光度はその吸収された光の量に比例し、光源の強さや物質の特性によって変化します。パルスオキシメータでは、この吸光度の変化を利用して血液中の酸素飽和度を計測します。
パルスオキシメータの仕組み
パルスオキシメータは、指などにセンサーを取り付け、赤色(660nm)と赤外線(940nm)の2種類の光を照射します。これらの光は血液を通過し、吸収されます。酸素が結びついたヘモグロビンは赤外線を吸収し、酸素が結びついていないヘモグロビンは赤色の光を多く吸収します。この吸光度の差異を測定することで、血中の酸素濃度を計算するのです。
吸光度と酸素飽和度の関係
パルスオキシメータは、赤色と赤外線の光が血液中の酸素を運ぶヘモグロビンにどのように吸収されるかを計算し、その差を基に酸素飽和度(SpO2)を求めます。吸光度の差を比較することで、酸素化されたヘモグロビン(HbO2)と酸素が結びついていないヘモグロビン(Hb)の割合が分かります。この情報をもとに、血中の酸素濃度を精密に算出できるのです。
実際の測定方法とその精度
パルスオキシメータは、吸光度の測定を非常に高速に行います。これにより、リアルタイムで酸素飽和度を確認することが可能です。通常、血中酸素濃度は95%以上が理想的とされ、これを下回ると低酸素症が疑われます。パルスオキシメータは、特に医療現場や家庭で広く利用され、簡単に酸素状態を監視するための便利なツールとなっています。
まとめ
パルスオキシメータは、吸光度の測定原理を利用して、血中酸素飽和度を非侵襲的に計測することができます。赤色と赤外線の光を用いて血液中の酸素化されたヘモグロビンと非酸素化ヘモグロビンの違いを測定することで、迅速かつ正確に酸素飽和度を算出します。これにより、健康管理や医療現場で重要な役割を果たしています。


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