極座標と接線条件で読み解く曲線と双曲線の幾何学的関係

数学

平面上の曲線と直線、さらに別の曲線との関係を考える問題は、微分や代数計算だけでなく、図形的な視点を持つことで理解が一気に深まります。本記事では、ある曲線上の点を通り原点との位置関係から定まる直線が、別の双曲線に接するという性質がどのようにして導かれるのかを、段階的かつ直感的に整理していきます。

曲線Lの特徴と極座標的な見方

曲線Lは (x²+y²)²=2(x²−y²) という式で与えられています。この式は一見複雑ですが、x²+y² や x²−y² という形が現れていることから、極座標や回転対称性を意識すると構造が見えやすくなります。

実際に極座標 x=r cosθ、y=r sinθ を用いると、x²+y²=r²、x²−y²=r²cos2θ となり、曲線Lは r⁴=2r²cos2θ、すなわち r²=2cos2θ と表せます。この変形により、点P(a,b)が取り得る範囲や、a>0という条件の意味が幾何学的に理解できます。

点Pと原点Oを結ぶ直線OPの幾何

点P(a,b)と原点Oを結ぶ直線OPの傾きは b/a です。したがって、この直線に垂直な直線lの傾きは −a/b になります。ここで重要なのは、直線lの向きがPの位置によって一意に決まるという点です。

直線lは「Pを通りOPに垂直」という条件から、y−b=−(a/b)(x−a) という形で表されます。このように、問題文の条件はすでに直線lの具体的な方程式をほぼ決定していることが分かります。

双曲線Hの接線条件とは何か

双曲線Hは (x²/2)−(y²/2)=1、すなわち x²−y²=2 という標準的な双曲線です。ある直線がこの双曲線に接するとは、連立方程式を解いたときに共有点がただ1つになる、つまり判別式が0になることを意味します。

直線lの式を双曲線Hに代入すると、xについての2次方程式が得られます。この2次方程式の判別式を計算し、それが0になるかどうかを調べることで、「接する」という条件を代数的に確認できます。

曲線Lの条件が接線条件を満たす理由

ここで本質的なのは、Pが曲線L上にあるという条件です。P(a,b)がLを満たす、すなわち (a²+b²)²=2(a²−b²) という関係があることで、先ほどの判別式が自動的に0になることが示されます。

つまり、L上の点Pを選び、その点を通る「OPに垂直な直線」を引くと、その直線は必然的に双曲線Hの接線になる、という構造が問題全体に組み込まれているのです。

具体例で見る直感的な理解

例えば a が0に近い正の値を取る場合、点Pはx軸付近にあり、OPはほぼ水平になります。そのとき垂直な直線lはほぼ垂直になり、双曲線Hの右側の枝にちょうど触れるような位置関係になります。

逆に a が√2に近づくと、Pの位置や直線の向きも変化しますが、常に「接する」という条件が保たれる点は、代数的結果と幾何学的直感が一致している好例と言えます。

まとめ:代数と幾何の橋渡しとしての問題

この問題は、複雑な式変形だけでなく、極座標による見方、直線の幾何学的意味、そして接線条件という基本概念を組み合わせることで理解できます。

曲線L上の点という制約が、直線lを双曲線Hの接線にするという結果を自然に導いている点に注目すると、計算の裏にある美しい構造が見えてくるでしょう。

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