標準正規分布を理解するためには、正規分布の確率変数Xと標準化されたZ変数の関係を知ることが重要です。今回は「Zはσで割るのに、Xが従う時はσ^2でなければならない理由」について説明します。
正規分布と標準正規分布の違い
正規分布N(m、σ^2)は、平均mと分散σ^2で定義される確率分布です。一方、標準正規分布は、平均が0、分散が1の特別なケースです。標準正規分布では、変数Zを用いて任意の正規分布を標準化します。
Z変数の定義
標準化されたZ変数は次の式で定義されます。
Z = (X - m) / σ
ここで、Xは元の正規分布の確率変数、mは平均、σは標準偏差です。この式によって、Xが従う元の正規分布の影響を除去し、標準正規分布(平均0、分散1)に変換することができます。
σとσ^2の関係について
なぜZ変数がσで割られ、Xはσ^2で表現されるのか、という疑問に関しては、正規分布の性質に基づいています。σは標準偏差を意味し、σ^2は分散です。Z変数は分散ではなく標準偏差を使用する理由は、標準正規分布を得るために必要なスケーリングが標準偏差に基づいているためです。
まとめ
標準正規分布では、元の正規分布から平均を引き、標準偏差で割ることによって、分布のスケールを調整します。これによって、分散(σ^2)を1に設定した標準正規分布が得られます。標準化は、確率変数のばらつきを取り除くために必要不可欠なステップであり、Z変数を使って標準化を行うことで、より簡単に確率を計算できるようになります。

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