QC検定3級で出題される正規分布の問題に関して、特に「ある範囲における確率を求める」という問題があります。ここでは、特定の寸法が指定された範囲内に収まる確率を計算する方法について解説します。具体的な例として、寸法xが22.6mmから22.8mmの間となる確率を求める問題を取り上げます。
1. 問題の理解
問題では、機械部品の寸法x(mm)が正規分布N(23.0, 0.42)に従っていると与えられています。正規分布の平均値は23.0mm、標準偏差は0.42mmです。この情報をもとに、指定された範囲(22.6mmから22.8mm)の確率を求める必要があります。
2. 正規分布の基本的な知識
正規分布における確率を求めるには、標準化を行い、標準正規分布表(Z表)を使います。まず、与えられた値をZスコアに変換する必要があります。Zスコアは以下の式で求められます。
Z = (X – μ) / σ
ここで、Xは対象の値、μは平均、σは標準偏差です。
3. Zスコアの計算
範囲22.6mmから22.8mmについて、それぞれのZスコアを計算します。
- Z(22.6) = (22.6 – 23.0) / 0.42 ≈ -0.952
- Z(22.8) = (22.8 – 23.0) / 0.42 ≈ -0.476
これで、範囲22.6mmから22.8mmの間におけるZスコアがそれぞれ-0.952と-0.476であることがわかりました。
4. Z表を使って確率を求める
次に、Z表を使って、それぞれのZスコアに対応する確率を求めます。Zスコア-0.952と-0.476の確率をZ表で調べると、それぞれ以下の値が得られます。
- P(Z < -0.952) ≈ 0.1711
- P(Z < -0.476) ≈ 0.3186
したがって、22.6mmから22.8mmの範囲に収まる確率は、P(Z < -0.476) - P(Z < -0.952) となります。
5. 確率の計算
範囲22.6mmから22.8mmの確率は、次のように計算できます。
P(22.6 < X < 22.8) = 0.3186 - 0.1711 = 0.1475
これにより、約14.75%の確率で寸法xが22.6mmから22.8mmの間に収まることがわかります。
6. まとめ
QC検定3級の問題において、正規分布を用いて特定の範囲にある確率を求める方法を解説しました。Zスコアを使って標準化を行い、その後、標準正規分布表を使って確率を求めることがポイントです。この手法を理解することで、同様の問題に対応できるようになります。


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