化学基礎の問題では、分子量や式量の計算がよく出題されます。この記事では、分子量や式量の求め方を解説し、具体的な問題に対する解法を示します。以下の問題を解決するために必要な知識や計算方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 分子量の求め方
分子量とは、分子の質量を示す値で、分子を構成する原子の質量の合計です。各元素の原子量をもとに計算します。
例題 1:二酸化炭素の分子量
二酸化炭素(CO₂)の分子量を求めるためには、炭素(C)と酸素(O)の原子量を確認します。炭素の原子量は12.0、酸素の原子量は16.0です。CO₂の場合、1分子には炭素1個と酸素2個が含まれているので、分子量は以下のように計算できます。
CO₂の分子量 = (12.0 × 1) + (16.0 × 2) = 12.0 + 32.0 = 44.0
例題 2:ネオンの分子量
ネオン(Ne)は単原子分子で、1個のネオン原子のみです。ネオンの原子量は20.0なので、分子量はそのまま20.0となります。
例題 3:グルコースの分子量
グルコース(C₆H₁₂O₆)の分子量を求めるために、各元素の原子量を使用します。炭素(C)は12.0、酸素(O)は16.0、水素(H)は1.0です。
グルコースの分子量 = (12.0 × 6) + (1.0 × 12) + (16.0 × 6) = 72.0 + 12.0 + 96.0 = 180.0
2. イオンの式量の求め方
イオンの式量は、そのイオンが含む原子の質量の合計です。イオンの式量を求める際も、各元素の原子量を使います。
例題 1:鉄(III)イオンの式量
鉄(III)イオン(Fe³⁺)は、鉄の原子1個と、電荷の違いで3つの電子を失った状態です。鉄の原子量は56.0なので、式量は56.0となります。
例題 2:アンモニウムイオンの式量
アンモニウムイオン(NH₄⁺)は、窒素(N)と水素(H)から構成されています。窒素の原子量は14.0、水素の原子量は1.0です。
アンモニウムイオンの式量 = 14.0 + (1.0 × 4) = 14.0 + 4.0 = 18.0
例題 3:炭酸イオンの式量
炭酸イオン(CO₃²⁻)は、炭素(C)と酸素(O)から構成されています。炭素の原子量は12.0、酸素の原子量は16.0です。
炭酸イオンの式量 = 12.0 + (16.0 × 3) = 12.0 + 48.0 = 60.0
3. 物質の式量の求め方
物質の式量は、分子量やイオンの式量と同様に、構成元素の原子量を基に計算します。
例題 1:二酸化ケイ素の式量
二酸化ケイ素(SiO₂)は、ケイ素(Si)と酸素(O)から構成されています。ケイ素の原子量は28.0、酸素の原子量は16.0です。
二酸化ケイ素の式量 = 28.0 + (16.0 × 2) = 28.0 + 32.0 = 60.0
例題 2:水酸化カルシウムの式量
水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)は、カルシウム(Ca)、酸素(O)、水素(H)から構成されています。カルシウムの原子量は40.0、酸素の原子量は16.0、水素の原子量は1.0です。
水酸化カルシウムの式量 = 40.0 + (16.0 × 2) + (1.0 × 2) = 40.0 + 32.0 + 2.0 = 74.0
例題 3:硫酸アンモニウムの式量
硫酸アンモニウム((NH₄)₂SO₄)は、アンモニウムイオン(NH₄⁺)と硫酸イオン(SO₄²⁻)から構成されています。アンモニウムイオンの式量は18.0、硫酸イオンの式量は96.0です。
硫酸アンモニウムの式量 = (18.0 × 2) + 96.0 = 36.0 + 96.0 = 132.0
まとめ:分子量と式量の計算の基本
分子量や式量の計算は、化学の基礎を理解するために非常に重要です。各元素の原子量をしっかり覚えて、問題に合わせた計算を行うことで、正しい答えを導くことができます。今回紹介した計算方法を参考に、化学基礎の理解を深めていきましょう。


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