汎用旋盤を使用してワークのタンメンに溝入れを行う場合、特にOリング用の溝入れにはいくつかのポイントと注意点があります。溝入れバイトの選択や、芯高さの設定方法など、ベテランの方からのアドバイスを踏まえて、効率的で精度の高い作業方法を解説します。
溝入れバイトの選択
Oリングの溝入れを行う際には、バイトの選定が非常に重要です。特に、溝の深さが3ミリである場合、バイトの逃し部(R部分)がついているものを選ぶと良いでしょう。このタイプのバイトは、溝の内径部分に適切にフィットし、エッジが円滑に仕上がるため、仕上がりにムラが出にくくなります。また、バイトの刃先の形状や角度も溝の精度に影響を与えるため、適切なものを選んでください。
芯高さの出し方
芯高さを正確に設定することは、精度の高い加工に欠かせません。芯高さは、バイトとワークの中心が一致するように設定する必要があります。汎用旋盤での芯高さの調整方法としては、まずバイトを取り付け、ワークとバイトの接触面を確認します。ワークの中心がバイトの中心と一致するように、バイトホルダーを微調整して芯高さを合わせます。微調整にはダイヤルゲージやマイクロメータを使用して、精度を高めましょう。
溝入れの手順
溝入れ作業の手順としては、まずバイトを適切に設定した後、低速で回転させながら溝を少しずつ削っていきます。最初に深さ方向に少しずつ削り進め、最終的に3ミリの深さを得るように調整します。途中で温度や切削液の管理を行い、バイトの摩耗や熱膨張を抑えることが精度向上につながります。
アドバイスと注意点
溝入れを行う際には、常に安定した回転数と切削条件を保つことが重要です。また、溝の精度を保つために、ワークが回転している間に常にバイトを一定の力で押し込むように心掛けましょう。加えて、作業後にバイトの角度や切削面を確認し、必要であれば再調整を行うことで、仕上がりにムラが生じるのを防ぐことができます。
まとめ
汎用旋盤でのOリング用溝入れには、適切な溝入れバイトの選定、精度の高い芯高さの設定、および安定した作業手順が重要です。これらを意識することで、精度良く溝を加工することができ、効率的に作業を進めることが可能になります。ベテランの方のアドバイスを参考にしながら、これらのポイントを押さえて作業に臨んでください。


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