交流電圧を測定する際、予期せぬ結果が得られることがあります。例えば、交流コンセントの赤線(プラス)と白線(アース)を測定して、鉄箱の鉄部分に電圧計の片方を当て、プラスの赤線にもう一方の計測部分を当てると0Vが表示されることがあります。この記事では、その理由を解説します。
交流電圧の基本的な理解
交流電圧は、時間的に周期的に変動する電圧です。家庭用電力は主に交流電流(AC)で供給されており、これには一定の周期的な波形(通常はサイン波)があります。日本の家庭用電源は100Vで、通常は赤線が「ホット線」、白線が「ニュートラル線」や「アース」として使われます。
アースとニュートラルの役割
アース線は、電気的に安全を保つために接地されており、機器や配線が地面に接続されています。ニュートラル線(白線)は、電源から戻る電流の通り道となるため、理論的にはアースと同じ電位を持っています。赤線は電圧を供給するため、常に100V程度の電位を持つことになります。
鉄箱に触れた場合の電圧計の動作
鉄箱の鉄部分に電圧計を接触させ、そこから赤線(プラス)に計測部分を当てると、0Vが表示されることがあります。この現象は、鉄箱がアースに接続されている場合に発生します。鉄箱自体がニュートラル線やアースと接続されていると、実質的には地面と同じ電位を持つことになります。そのため、赤線(プラス)と鉄箱(アース)との間に電位差がなく、電圧計が0Vを示すことになるのです。
アースと電圧計の関係
アースは、実際には電圧の「基準点」となります。電圧計が示す値は、計測する2点間の電位差を測定しています。もし、電圧計の1つがアースに接続され、もう1つが他の電気的に異なる電位を持つ場合、電圧差が測定されます。鉄箱がアースに接続されている場合、アースと赤線の間に電位差がないため、電圧計は0Vを示すことになります。
まとめ
電圧計が0Vを示す理由は、鉄箱がアースに接続されているため、赤線(プラス)との間に電位差がないからです。アースとニュートラルの線は理論的には同じ電位を持ち、これが交流電圧測定に影響を与える要因となります。このような基本的な理解を深めることは、電気の安全性や正確な測定を行うために重要です。


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