No prisoners would be “lost to follow-up” の文法解説|be lost は受動態なのか?

英語

英語の学術文献やニュース記事などでよく見かける表現に “lost to follow-up” があります。この表現は引用符で囲まれて使われることも多く、「be lost は受動態なのか?」と疑問に思う方も少なくありません。本記事では、No prisoners would be “lost to follow-up” という文を題材に、be lost の文法的な位置づけや引用符の意味について整理します。

“lost to follow-up” とはどのような表現か

“lost to follow-up” は、医学・社会調査・刑事司法などの分野で使われる定型表現で、「追跡調査ができなくなる」「所在や状況が把握できなくなる」ことを意味します。

例えば、調査対象者が転居したり連絡不能になった場合、「その人は lost to follow-up になった」と表現されます。ここでは物理的に迷子になるというより、管理・追跡の枠組みから外れるという抽象的な意味合いが強いのが特徴です。

be lost は受動態なのか?

文法的に見ると、be + 過去分詞 の形を取っているため、形式上は受動態と同じ構造です。ただし、”be lost” は多くの場合、動作を受ける受動態というよりも、状態を表す形容詞的用法として理解されます。

この文では「誰かに失われる」という行為主体は想定されておらず、「追跡不能な状態になる」という状態描写が中心です。そのため、純粋な受動態というよりは「状態受動」あるいは「形容詞的過去分詞」と考える方が自然です。

引用符(” “)で囲まれている理由

“lost to follow-up” が引用符で囲まれているのは、この表現が専門用語・慣用句であることを示すためです。特定の分野で定義された用語であることを強調し、日常的な「lost」との意味のズレを明確にしています。

つまり、引用符は文法的な理由というより、意味上の注意喚起や用語性を示す役割を果たしています。

No prisoners would be “lost to follow-up” の構造

この文全体は、「どの囚人も追跡不能な状態にはならないだろう」という意味になります。would be は仮定・予測を示し、be lost to follow-up がその結果として起こらない状態を表しています。

ここでも be lost は「誰かに失われる」という受動的な行為ではなく、「追跡不能という状態に陥る」ことを表すため、状態表現として理解すると文意がつかみやすくなります。

まとめ|受動態かどうかより意味理解が重要

No prisoners would be “lost to follow-up” における be lost は、形式上は受動態と同じ形ですが、実際には状態を表す表現として使われています。引用符は専門用語であることを示すためのもので、文法的な受動を強調するものではありません。

このような表現では、「受動態か否か」にこだわりすぎず、どのような状態や概念を表しているのかを意識して読むことが、正確な理解につながります。

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