青山学院大学の過去の化学の入試問題で出題された中和反応に関する問題について、今回はその解法と重要なポイントを解説します。特に、酢酸と水酸化ナトリウムの中和反応が引き起こす平衡の問題に焦点を当て、問題文に登場する式や仮定に基づいて、どのように解答に至るのかを詳細に説明します。
酢酸と水酸化Naの中和反応とは？
酢酸（CH3COOH）と水酸化ナトリウム（NaOH）が中和反応を行うと、水と酢酸ナトリウム（CH3COONa）が生成されます。この反応が完了すると、生成された水溶液は弱塩基性を示します。これは、酢酸イオン（CH3COO-）と水との間で平衡が成立するためです。
中和反応の後に平衡が成立すると、酢酸イオンと水の間で次の反応が進行します。
CH3COO- + H2O → CH3COOH + OH-
この反応の平衡定数は、Kw（水の解離定数）とKa（酢酸の酸解離定数）の比として表されます。
問題文の解析：αの近似式を導く方法
問題文では、酢酸の濃度をαとして、中和反応後に生じた塩（酢酸ナトリウム）の濃度をCとして、αの近似式をKw、Ka、および塩の濃度Cを用いて求めるように指示されています。
まず、酢酸イオン（CH3COO-）は、CH3COONaから生じるため、反応の開始時点ではその濃度はCモル/Lです。中和反応後、酢酸イオンの濃度が減少します。この減少分は、反応の進行度を示すαとして表されます。
酢酸イオンの減少量が-Cαモル/Lとなる理由
酢酸イオンの初期濃度はCモル/Lであり、反応によってCH3COO-がCH3COOHに変化します。したがって、酢酸イオンの濃度の減少量は反応の進行度に比例し、この減少量はCαモル/Lとなります。ここで、αは反応の進行度を表し、反応が進むほどαは大きくなります。
この減少量は、反応における酢酸イオンの消費量を示しており、-Cαモル/Lという形で表現されています。この式は、中和反応が進行する過程での物質量の変化を追うために必要な仮定に基づいています。
平衡定数からαを求める近似式の導出
中和反応後の平衡定数Khは、次のように表されます。
Kh = Kw / Ka
ここで、Kwは水の解離定数、Kaは酢酸の酸解離定数です。酢酸イオンの濃度をCαモル/L、酢酸の濃度をC(1 – α)モル/Lとして、平衡状態における酢酸イオンと水との間の反応における平衡定数を導くことができます。
これを用いて、αの近似式を次のように表すことができます。
α ≈ rac{Kw}{KaC}
この式を使うことで、反応の進行度αをKw、Ka、Cを用いて求めることができ、問題文の要求に応じた解答を得ることができます。
まとめ
青山学院大学の化学の入試問題における酢酸と水酸化ナトリウムの中和反応に関する問題では、酢酸イオンの濃度変化と平衡定数を用いて、反応の進行度を表すαを求める方法を学びました。問題文に登場する式や仮定に基づいて、近似式を導出し、解答を得ることができることが確認できました。このような問題を解くためには、化学反応の平衡に関する理解と、数学的なアプローチが重要です。
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