希釈した塩酸のpH変化と計算方法 – pHが7を超えない理由と境界の理解

化学

塩酸などの酸性溶液を希釈すると、そのpHはどのように変化するのでしょうか?この記事では、1.0×10^-2mol/Lの塩酸を1.0×10^-8mol/Lに希釈した場合のpHの計算方法と、pHが7を超えない理由、またpH計算における境界について詳しく解説します。

塩酸の希釈とpHの変化

塩酸(HCl)は強酸であり、水に溶けると完全に電離します。初期の塩酸溶液が1.0×10^-2mol/Lである場合、その水素イオン濃度[H+]は1.0×10^-2mol/Lとなります。この場合、pHは次のように計算できます。

pH = -log10[H+]

この式に当てはめると、初期のpHは2となります。しかし、この塩酸溶液を1.0×10^-8mol/Lに希釈すると、[H+]は希釈後の濃度に合わせて減少し、その結果pHがどう変化するかを確認することが重要です。

希釈後のpHの計算方法

塩酸を希釈して1.0×10^-8mol/Lにした場合、[H+]の濃度は1.0×10^-8mol/Lになります。これをpHの計算式に代入すると、次のようになります。

pH = -log10(1.0×10^-8) = 8

したがって、希釈後のpHは8となります。これは、希釈によって水素イオン濃度が減少し、酸性度が低下した結果、pHが7を超えて弱酸性に近い状態になったことを意味します。

pHが7を超えない理由

質問にあるように、pHが7を超えないのは、希釈した塩酸がまだ水素イオン(H+)を供給しているためです。希釈によって水素イオンの濃度は確かに低くなりますが、pHが7より大きくなることはありません。なぜなら、pHが7より高い場合、溶液はアルカリ性になり、pHが7を超えるのは塩基性溶液に限られるからです。

塩酸は強酸であり、極端に希釈しても、依然として水素イオンを供給し続けるため、pHが7を超えることはないのです。

pH計算で求められないものと境界について

pH計算では、水素イオン濃度を基に計算しますが、特定の条件下ではpHを正確に計算することが難しい場合があります。例えば、非常に低濃度の酸や塩基、または緩衝液の場合、pHは単純に水素イオン濃度だけでなく、他の要因にも影響されるため、計算が複雑になります。

また、pHが7未満でも、酸の濃度が非常に低い場合(例えば10^-8mol/Lなど)、水そのものの水素イオン濃度(10^-7mol/L)と競合することがあるため、実際には水の影響を考慮する必要が出てきます。これにより、pHの計算が難しくなり、pHが7より低くてもその変動を計算で求めるのが難しくなる場合があります。

まとめ

塩酸の希釈によるpHの変化は、水素イオン濃度に基づいて計算されます。1.0×10^-2mol/Lの塩酸を1.0×10^-8mol/Lに希釈した場合、pHは8になります。希釈後でもpHが7を超えないのは、塩酸が依然として水素イオンを供給しているためです。また、pHの計算では、非常に低濃度の酸や塩基、緩衝液などでは計算が難しくなる場合があることを理解しておく必要があります。

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