ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムによる滴定とその反応式の理解

化学

ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムを使用した滴定反応は、化学実験でよく見られるものです。この記事では、ヨウ素が溶けているヨウ化カリウム水溶液を使用する理由と、滴定におけるI-の関与について解説します。特に、反応式や滴定の方法に関する理解を深めるためのポイントを取り上げます。

ヨウ素とチオ硫酸ナトリウム反応の基本

ヨウ素(I2)とチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)は、以下の反応式で反応します。

I2 + 2Na2S2O3 → 2NaI + Na2S4O6

この反応では、ヨウ素(I2)がチオ硫酸ナトリウムと反応して、ヨウ化ナトリウム(NaI)とチオ硫酸テトラナトリウム(Na2S4O6)を生成します。チオ硫酸ナトリウムがヨウ素を還元することによって、色が変化し、滴定の終点が確認できるようになります。

ヨウ化カリウム水溶液を使う理由

質問にあるように、ヨウ素が溶けているヨウ化カリウム水溶液を使用するのには理由があります。ヨウ化カリウム(KI)は水に溶けやすく、ヨウ素(I2)と反応して、ヨウ素分子が溶けた状態で安定します。ヨウ化カリウム水溶液にヨウ素を溶かすことで、ヨウ素はI2の形で安定して存在し、滴定反応が正確に進行することができます。

もし、ヨウ化カリウム水溶液を使用せずにヨウ素を単独で溶かすと、ヨウ素が水に溶けにくいため、滴定が難しくなります。そのため、ヨウ化カリウムを使用することで、ヨウ素を安定的に溶かすことができ、正確な滴定が可能になります。

I-(ヨウ化物イオン)の関与について

質問にある「I-(ヨウ化物イオン)は滴定の式に関係ないのか?」という点について解説します。ヨウ化カリウム水溶液に溶けているヨウ化物イオン(I-)は、滴定反応の進行には直接的な関与はありませんが、重要な役割を果たします。

ヨウ化カリウム水溶液において、I-はヨウ素分子(I2)と結びつき、I2を溶解させる役割を果たします。反応が進む過程で、I-はヨウ素と反応し、ヨウ化ナトリウム(NaI)を生成しますが、I-自身は反応式には直接関与しないため、滴定反応で使われる主な物質はヨウ素(I2)です。

滴定の実際と反応の進行

実際に滴定を行うとき、チオ硫酸ナトリウム水溶液をヨウ化カリウム水溶液に加えると、ヨウ素が還元されてヨウ化物イオン(I-)が生成されます。この反応が完了するまで、チオ硫酸ナトリウムを少しずつ加え、反応の終点を確認します。

終点を確認する方法は、通常、指示薬(例えば、でんぷん溶液)を加え、青紫色が消えるタイミングを見計らって反応が完了したと判断します。この過程で、反応したヨウ素の物質量を求めることができます。

まとめ

ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムの滴定反応では、ヨウ化カリウム水溶液を使うことでヨウ素を安定的に溶かし、正確な滴定を行うことができます。また、ヨウ化物イオン(I-)は、ヨウ素を溶解させる役割はありますが、反応式に直接関与するわけではありません。滴定の終点を見極めることで、反応したヨウ素の物質量を計算することができます。

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