源氏物語「妹が垣根におとなはせまほしき御声なり」の品詞分解と解説

文学、古典

「源氏物語」の名シーンからの一文を取り上げ、品詞分解とその意味について解説します。この記事では、光源氏の深い悲しみと息子との心の交流を表すこの一文を、詳細に分解していきます。

「妹が垣根におとなはせまほしき御声なり」の品詞分解

まず、この一文を品詞ごとに分解してみましょう。

「妹が(主語)」「垣根に(場所の副詞)」「おとなはせまほしき(動詞+形容詞)」「御声なり(名詞+助動詞)」となります。

ここで注目するべきは「おとなはせまほしき」の部分です。これが一番の焦点となります。まず、「おとなはせ」ですが、「おとな」は「おとなる」という動詞の連用形、「はせ」は「はす」の連用形で、これは「する」や「させる」などの意味を持ちます。「まほしき」は形容詞「まほし」の連体形で、意味は「〜したい」となります。全体としては、「おとなはせまほしき」で「〜させたい」という意味合いです。

「な」の品詞について

質問の中で取り上げられた「な」についてですが、これは助動詞「なり」の連体形です。この場合、「なり」は名詞の意味を強調し、「御声なり(お声である)」と解釈されます。したがって、この「なり」は名詞を結ぶ役割を果たしており、文末に「なり」がつくことで語感が生まれています。

文の意味と背景

この一文の意味は、「紫の上のいる所に響かせたいお声だ」というもので、光源氏が紫の上を想い、心から発した言葉であることが伝わります。彼の切ない気持ちとともに、息子である大将の君に対しても自分の思いを伝えようとしている深い感情が込められています。

まとめ

「源氏物語」の一文を品詞分解すると、古典の深い意味がさらに理解できるようになります。特に、「おとなはせまほしき」や「なり」の使い方が、文学的な表現としてどのように作用しているのかを知ることができます。このような解釈を通して、源氏物語の奥深さをさらに感じ取ることができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました