食酢とNaOHの中和滴定を用いて、食酢原液中に含まれる酢酸の量を計算する方法を紹介します。ここでは、食酢原液の比重が1.02、分子量が60.05、25mLの食酢を10倍に希釈して0.1mol/L NaOHで滴定した結果から、食酢原液中に含まれる酢酸の量を計算し、その値を質量容量百分率、質量百分率、モル濃度で示す方法を説明します。
1. 中和滴定の基本的な計算
中和滴定の基本的な計算では、まず食酢に含まれる酢酸の量を求めます。中和滴定で使用するNaOHの濃度が0.1mol/Lで、滴定に使ったNaOHの体積が分かれば、反応に使われたNaOHのモル数を計算できます。
次に、このモル数から食酢に含まれる酢酸のモル数を求め、そこから食酢原液中の酢酸の量を求めることができます。
2. 食酢中の酢酸の質量容量百分率の計算方法
質量容量百分率は、食酢原液中に含まれる酢酸の質量と、食酢原液の総容量との比率です。まず、食酢原液に含まれる酢酸のモル数を求め、それを質量に換算します。質量は、酢酸のモル数に分子量を掛け算することで求めます。得られた質量を食酢原液の容量で割り、百分率に変換することで、質量容量百分率が求まります。
例えば、滴定で求めた酢酸のモル数が0.02mol、食酢原液の容量が250mL(0.25L)だとすると、酢酸の質量は0.02mol × 60.05g/mol = 1.201gです。これを食酢原液の容量で割ると、質量容量百分率が得られます。
3. 質量百分率の計算方法
質量百分率は、食酢中に含まれる酢酸の質量を食酢原液全体の質量で割ったものです。質量容量百分率と異なり、こちらは食酢の質量に対する酢酸の質量の割合です。質量は、まず食酢原液の体積を求め、その後に食酢原液の比重を掛けることで求めます。
たとえば、250mLの食酢原液の質量は250mL × 1.02g/mL = 255gです。酢酸の質量が1.201gであれば、質量百分率は(1.201g ÷ 255g) × 100 = 0.47% となります。
4. モル濃度の計算方法
モル濃度は、食酢中の酢酸のモル数を食酢原液の体積で割ったものです。モル数は、中和滴定で得られた結果を基に計算することができます。モル濃度は、酢酸の量をより正確に示す方法として有効です。
たとえば、食酢原液中の酢酸のモル数が0.02molで、食酢の体積が0.25Lであれば、モル濃度は0.02mol ÷ 0.25L = 0.08mol/L となります。
5. まとめ
食酢とNaOHの中和滴定を通じて、食酢原液に含まれる酢酸の量を質量容量百分率、質量百分率、モル濃度で求めることができました。これにより、食酢の成分を科学的に分析する方法が理解できました。実際の滴定結果を基に、これらの計算を応用することで、さまざまな化学的分析が可能になります。


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