この問題では、双眼実体顕微鏡を使用して電気分解を行い、酸素と銀の物質量や体積を求める方法を解説します。電気分解において、陽極で酸素が生成され、陰極で銀が析出します。与えられた条件をもとに、それぞれの物質の生成量と体積を計算していきます。
問題の理解と必要なデータ
まず、問題を解くために必要な情報を整理します。
- 電流:2.50A
- 電気分解の時間:51分28秒
- 硝酸銀水溶液:NaHSO4の濃度と体積
- 反応式:
陽極:2H₂O → O₂ + 4H⁺ + 4e⁻
陰極:Ag⁺ + e⁻ → Ag - ファラデー定数:9.65×10⁴/mol
- 原子量:Ag = 108
これらの情報をもとに計算を行います。
酸素の生成量と体積の計算
陽極で発生する酸素の物質量を求めます。まず、電気分解の電荷量(C)を求めるために、電流(A)と時間(秒)を使用します。
電気分解の時間は51分28秒なので、これを秒に換算します。51分28秒 = 51 × 60 + 28 = 3088秒
電荷量Qは、電流I(2.50A)と時間t(3088秒)を掛け算することで求めます。
Q = I × t = 2.50A × 3088s = 7720C
次に、酸素の生成に必要な電荷量を求めます。反応式によると、酸素1molを生成するために必要な電子の数は4molです。したがって、1molの酸素を生成するために必要な電荷量は、4 × 9.65×10⁴C = 3.86×10⁵Cです。
酸素の物質量は次のように計算されます。
酸素の物質量 = 電荷量 / 必要な電荷量 = 7720C / 3.86×10⁵C = 0.020mol
次に、酸素の体積を求めます。STP(標準状態)での酸素のモル体積は22.4L/molです。
酸素の体積 = 0.020mol × 22.4L/mol = 0.448L
銀の析出量と質量の計算
次に、陰極で析出する銀の物質量を計算します。銀の反応式によると、1molの銀を析出させるために1molの電子が必要です。これにより、酸素と同じく電荷量を利用して銀の物質量を求めます。
銀の物質量 = 電荷量 / 必要な電荷量 = 7720C / 9.65×10⁴C/mol = 0.080mol
最後に、銀の質量を求めます。銀の原子量は108g/molです。
銀の質量 = 0.080mol × 108g/mol = 8.64g
結論
この問題では、電気分解における酸素と銀の生成量を計算しました。以下の結果が得られました。
- 陽極で生成する酸素の物質量:0.020mol、体積:0.448L
- 陰極で析出する銀の物質量:0.080mol、質量:8.64g
電気分解の問題において、ファラデーの法則を使用して物質量を求めることが基本です。計算過程を理解し、反応式に基づいて正確な値を求めることが重要です。


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