化学実験や問題解決において、異なる溶液を混ぜた後のpHを求めることは一般的な課題です。今回の問題では、0.20mol/LのNaHSO4水溶液と0.10mol/LのNaOH水溶液を混ぜた後、50mLの水溶液におけるpHを求めます。問題を解くための基本的なステップと計算方法を解説します。
問題の理解と式の立て方
まず、問題のポイントを確認しましょう。NaHSO4(水素化ナトリウム)の水溶液にNaOH(水酸化ナトリウム)の水溶液を加えると、次の反応が起こります。
NaHSO4 + NaOH → Na2SO4 + H2O
この反応は酸と塩基の中和反応で、最終的に硫酸水素ナトリウム(NaHSO4)が水酸化ナトリウム(NaOH)によって中和されます。反応後の水溶液のpHを計算するためには、まず反応後に残る水素イオン(H+)の濃度を求め、その後pHを計算します。
必要なデータの確認
問題の条件に基づき、次のデータを利用します。
- NaHSO4水溶液の濃度:0.20mol/L
- NaHSO4水溶液の体積:20mL
- NaOH水溶液の濃度:0.10mol/L
- NaOH水溶液の体積:30mL
- 最終的な水溶液の体積:50mL
これらのデータをもとに、NaHSO4とNaOHのモル数を求めて、中和反応を行います。
計算方法
まず、NaHSO4とNaOHのモル数を求めます。NaHSO4のモル数は、濃度×体積で計算できます。
NaHSO4のモル数 = 0.20mol/L × 0.020L = 0.004mol
次に、NaOHのモル数を求めます。
NaOHのモル数 = 0.10mol/L × 0.030L = 0.003mol
反応では、1:1のモル比で中和が進むので、NaOHがNaHSO4を完全に中和します。その結果、NaHSO4の残りモル数は0.004mol – 0.003mol = 0.001molとなり、残る酸性成分の濃度を求めます。
最終的な水溶液の体積は50mLなので、残る酸性成分の濃度は次のように計算されます。
酸性成分の濃度 = 0.001mol / 0.050L = 0.02mol/L
硫酸水素イオン(H+)の濃度が0.02mol/Lであるため、この値を使ってpHを計算します。
pH = -log[H+] = -log(0.02) ≈ 3
結論と解説
このように、NaHSO4とNaOHの中和反応を考慮した結果、最終的な水溶液のpHは約3となります。このpH値は、酸性の水溶液であることを示しています。反応後のpHが予想通りであることが確認できました。
この問題では、溶液の混合後のpHを計算するための反応式、モル数の計算、最終的な酸性成分の濃度を求める方法が重要でした。実験や問題解決において、計算手順をしっかり理解することが大切です。


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