この問題は、輸送費を最小化するための線形計画法の典型的な問題です。まず、与えられた情報から必要な変数と制約を明確にし、最適解を求める手順を説明します。
問題設定
以下の情報が与えられています。東京と大阪から販売店A、B、Cに品物を輸送する際の輸送費とその関連情報です。
| 販売店 | A | B | C | 需要量 |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 4 | 2 | 5 | 15 |
| 大阪 | 7 | 3 | 4 | 20 |
| 需要量 | 11 | 5 | 9 |
ここで、4は東京からAへの輸送費、2は東京からBへの輸送費、5は東京からCへの輸送費を表しています。同様に、大阪からの輸送費も示されています。需要量は各販売店で求められる商品の数量です。
変数の設定
まず、各輸送経路について変数を設定します。
- x₁:東京からAへの輸送量
- x₂:東京からBへの輸送量
- x₃:東京からCへの輸送量
- y₁:大阪からAへの輸送量
- y₂:大阪からBへの輸送量
- y₃:大阪からCへの輸送量
これらの変数を使って、輸送費を最小化する式を作ります。
最適化問題の設定
目標は、輸送費を最小化することです。輸送費は次のように表されます。
最小化すべき目的関数:
z = 4x₁ + 2x₂ + 5x₃ + 7y₁ + 3y₂ + 4y₃
この式は、東京から販売店A、B、C、また大阪から販売店A、B、Cにそれぞれ輸送する際の費用を合計したものです。
制約条件
次に、問題の制約条件を整理します。
- 需要量の制約:
x₁ + y₁ = 11(販売店Aへの需要)
x₂ + y₂ = 5(販売店Bへの需要)
x₃ + y₃ = 9(販売店Cへの需要) - 在庫量の制約:
x₁ + x₂ + x₃ = 15(東京の供給量)
y₁ + y₂ + y₃ = 20(大阪の供給量) - 各変数の非負制約:
x₁, x₂, x₃, y₁, y₂, y₃ ≥ 0
解法の進め方
このようにして、目的関数と制約条件を整えることができました。次に、この問題を線形計画法(またはシンプレックス法)を使って解きます。手動で解く場合もあれば、計算ツールやソフトウェア(例えばExcelや線形計画ソルバー)を使用することも可能です。
まとめ
この問題は、輸送費を最小化するために線形計画法を用いる典型的な輸送問題です。変数の設定と制約条件をしっかり整理し、最適解を求めることで解決できます。最適輸送方法が決まれば、指定された輸送費の合計が最小化され、効率的な輸送計画を立てることができます。


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