日本語には、よく使われるけれども、実は誤用されやすい表現があります。その中でも「的を得る」というフレーズは、しばしば使われますが、本来の意味とは少し違う使い方をされていることが多いです。本記事では、他にも気を付けたい誤用しがちな表現や、その正しい使い方を紹介します。
「的を得る」とはどういう意味か?
「的を得る」とは、本来「的を射る」という言い回しが正しい形です。「的を射る」とは、狙いを定めた目標に向かって正確に的を射る、つまり「目標に達成する」ことを意味します。この表現が誤って「的を得る」と使われることがありますが、意味としてはあまり適切ではありません。
「的を得る」と言った場合、語感としては「的を手に入れる」というニュアンスが強くなり、本来の意味である「目標を正確に定めてそれを達成する」という意味が伝わりにくくなります。
「体裁を整える」と「体裁を気にする」の違い
「体裁を整える」と「体裁を気にする」は、どちらもよく使われる表現ですが、その使い分けには注意が必要です。「体裁を整える」は、物事をきちんと整えること、外見をきちんとすることを意味します。
一方で、「体裁を気にする」は、外見や周囲の反応を気にして行動することを意味します。ここで重要なのは、「整える」と「気にする」の使い方が微妙に異なる点です。「整える」は積極的な行動を示し、「気にする」は自分の意識に対する反応です。文脈に応じて、使い分けることが大切です。
「足元を見る」 vs 「足元を見られる」
「足元を見る」という表現は、相手の弱みを見極めて行動する、または状況を分析するという意味で使われますが、誤って「足元を見られる」という表現を使うことがあります。後者は相手に弱みを取られるという意味合いになりますが、通常、この表現を使う場面ではあまり適切ではありません。
「足元を見る」という表現が適切です。相手の弱点や立場をうまく利用するという意味合いを伝える際には、この表現を正しく使いましょう。
「間違いない」 vs 「間違いないだろう」
「間違いない」と言い切ることが多いですが、これは自信を持って確信する場合に使います。一方で、「間違いないだろう」という表現は確信が弱い場合に使われます。この使い分けを混同して使うことがあるため、注意が必要です。
確信を持って断言する場合は「間違いない」を、少し不確実さを含んだ推測や予想を述べるときは「間違いないだろう」を使うようにしましょう。
まとめ
日本語表現には、よく使われるが誤用されやすいフレーズがいくつかあります。「的を得る」を始めとする誤用表現を正しく理解し、使い分けることで、より精確で効果的な日本語を使うことができます。表現の違いに敏感になり、日常的に使う言葉を正しく使うことが、言語力を高める鍵となります。


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