pHから水素イオン濃度を求める方法:硝酸HNO3と水酸化ナトリウムNaOH水溶液の例

化学

化学のテストでよく出題される問題の一つが、pHから水素イオン濃度を求める問題です。今回は、硝酸HNO3水溶液と水酸化ナトリウムNaOH水溶液のpHから水素イオン濃度を計算する方法を解説します。pHと水素イオン濃度の関係を理解することで、どんな問題にも応用できるようになります。

pHと水素イオン濃度の関係

まず、pHと水素イオン濃度([H+])の関係を押さえておきましょう。pHは次の式で計算できます。

pH = -log[H+]

この式を使うと、pHから水素イオン濃度を求めることができます。水素イオン濃度を求めるには、pHの値を使って次のように計算します。

[H+] = 10^(-pH)

硝酸HNO3水溶液の水素イオン濃度

まずは、pHが3の硝酸HNO3水溶液について考えてみましょう。硝酸は強酸であり、完全に電離します。したがって、水素イオン濃度はそのままpHから計算できます。

pH = 3の場合、次のように計算します。

[H+] = 10^(-3) = 0.0010 M

したがって、水素イオン濃度は0.0010Mです。

水酸化ナトリウムNaOH水溶液の水素イオン濃度

次に、pHが9の水酸化ナトリウムNaOH水溶液について考えます。NaOHは強塩基であり、水に溶けると完全に水酸化物イオン(OH-)を放出します。水酸化物イオンの濃度から水素イオン濃度を求めるには、次の式を使用します。

[OH-] × [H+] = 1 × 10^-14

まず、pHからpOHを計算します。pHとpOHは次の関係式で結びついています。

pH + pOH = 14

pH = 9のとき、pOHは次のように計算できます。

pOH = 14 - 9 = 5

pOHが5の場合、OH-の濃度は次のように求められます。

[OH-] = 10^(-pOH) = 10^(-5) = 0.00001 M

次に、[OH-]と水素イオン濃度の関係を使って、[H+]を求めます。

[H+] = 1 × 10^-14 / [OH-] = 1 × 10^-14 / 0.00001 = 1.0 × 10^-9 M

まとめ

pHから水素イオン濃度を求める方法は、非常にシンプルです。強酸や強塩基の水溶液では、それぞれの特徴に従って計算します。硝酸HNO3のような強酸の場合は、pHからそのまま水素イオン濃度を求めることができます。水酸化ナトリウムNaOHのような強塩基の場合は、pOHを求めてから水素イオン濃度を計算します。この方法を理解しておけば、他の酸や塩基の問題にも応用できます。

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