トリチェリの実験を用いた問題では、ガラス管内の水銀の挙動とその中に閉じ込められた空気の圧力を求めることがよくあります。今回は、大気圧が102000Paのときに、水銀柱が10.0cmの長さに達する状況で、閉じ込められた空気の圧力を求める問題を解説します。この問題を解くために必要な基本的な知識と計算方法について説明します。
問題の設定と前提条件
まず、この問題では次の条件が与えられています:大気圧が102000Pa、ガラス管内で水銀を排出した後、ガラス管を鉛直に立てたときに、水銀柱の長さが10.0cmになります。この状態で、閉じ込められた空気の圧力を求める問題です。また、100gの重力を1Nとして計算します。
ここで重要なのは、水銀の高さが示す圧力の差と大気圧との関係です。これを使って、閉じ込められた空気の圧力を求めます。
トリチェリの法則と水銀柱の圧力
トリチェリの法則によれば、水銀柱の高さが10.0cmのとき、その圧力は水銀の密度と重力加速度を使って計算できます。水銀の密度は約13,600kg/m³、重力加速度は9.8m/s²です。水銀柱の圧力は以下のように求められます。
水銀の圧力 = 水銀の密度 * 重力加速度 * 高さ = 13,600kg/m³ * 9.8m/s² * 0.1m = 13,328Pa
この圧力は水銀柱による圧力であり、空気の圧力を求めるために必要な情報となります。
閉じ込められた空気の圧力の計算
次に、閉じ込められた空気の圧力を求めます。大気圧は102000Paであり、水銀柱によって生じる圧力が13,328Paであるため、閉じ込められた空気の圧力は以下のように計算できます。
閉じ込められた空気の圧力 = 大気圧 – 水銀柱の圧力 = 102000Pa – 13328Pa = 88,672Pa
したがって、閉じ込められた空気の圧力は88,672Paとなります。
100gの重力が与える影響
問題文で「100gに働く重力の大きさ」を1Nとして計算することが求められていますが、この計算は直接的には圧力に関わるものではありません。重力が与える影響は、物体が地面に対して受ける力であり、ここでは水銀の高さを示すために使われています。この重力の大きさが問題の答えには直接的に影響しないことを理解しておきましょう。
まとめ:空気の圧力と水銀柱の関係
この問題では、トリチェリの法則を使用して、水銀柱の高さとその圧力を求め、それを使って閉じ込められた空気の圧力を計算しました。最終的に、閉じ込められた空気の圧力は88,672Paとなります。物理の問題では、与えられた条件を正確に整理し、必要な法則や計算を適切に適用することが解決の鍵となります。


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