この質問では、0.010mol/Lの塩酸（HCl）と硫酸（H2SO4）のpHを比較し、どちらが大きいかを求める問題です。塩酸と硫酸はどちらも強酸であり、pHの計算にはそれぞれの酸が水に溶けるときの解離の仕方を理解することが重要です。
1. pHとは？
pHは水溶液中の水素イオン濃度（[H+]）を基にした指数で、酸性の強さを表します。pHが低いほど酸性が強く、高いほどアルカリ性です。pHの計算式は次の通りです。
pH = -log[H+]
2. 塩酸と硫酸の違い
塩酸（HCl）は水に溶けると完全に解離します。したがって、0.010mol/Lの塩酸では水溶液中の[H+]も0.010mol/Lです。一方、硫酸（H2SO4）は二価の酸で、初めに完全に解離しますが、二番目の水素イオンは部分的に解離します。
したがって、0.010mol/Lの硫酸の[H+]は、最初の解離で0.010mol/Lとなり、次の解離でも一部が解離するため、[H+]はさらに高くなります。
3. 塩酸と硫酸のpHの計算
塩酸の場合、[H+] = 0.010mol/Lであり、pHは次のように計算できます。
pH = -log(0.010) = 2
一方、硫酸は初めに完全に解離するため、[H+]は0.020mol/L（2倍）となります。この場合のpHは。
pH = -log(0.020) ≈ 1.70
4. 結論：どちらのpHが大きいか
塩酸のpHは2、硫酸のpHは1.70です。したがって、pHが大きいのは塩酸です。硫酸は強酸ですが、2番目の水素イオンの解離が不完全であるため、同じモル濃度であっても塩酸よりpHは低くなります。
このように、pHを比較する際には酸の解離の度合いを考慮する必要があります。
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