心理学の論文を書く際、HAD(Hospital Anxiety and Depression Scale)を用いた結果の記述方法について悩んでいる方は多いです。HADは、患者の不安と抑うつの状態を評価するためのツールとしてよく用いられますが、その結果をどのように記述すべきか、具体的な方法をこの記事で解説します。
HADの基本的な使用方法
HADは、不安(Anxiety)と抑うつ(Depression)の2つの側面を測定する尺度です。各項目は0〜3点で評価され、最大スコアは42点になります。結果は、患者の精神的な健康状態を把握するための指標として用いられ、点数が高いほど不安や抑うつの程度が強いとされます。
HAD結果の記述方法
論文でHADの結果を記述する際は、まず各項目の得点とその合計点数を示します。例えば、「HADの不安尺度の平均得点はX点、抑うつ尺度の平均得点はY点であった」といった具合に記述します。さらに、得点が基準値を超えた場合の患者の割合や、統計的な解析結果を加えることが求められる場合もあります。
統計的な結果の記述
HADを用いた分析結果を記述する際には、通常、平均値(Mean)や標準偏差(SD)を示し、必要に応じてt検定や相関分析などを用いて、グループ間の差異や関連性を統計的に評価します。例えば、「HADの不安得点において、実験群と対照群の間に有意な差が認められた(t = 2.35, p = 0.03)」といった具体的な数値を示します。
結果の解釈と議論
結果を記述する際は、単に数値を羅列するだけでなく、その意味を解釈することが大切です。例えば、不安得点が高い場合には、被験者が抱える不安の程度が精神的健康に与える影響を考察し、抑うつ得点が高い場合には、抑うつがその後の治療や支援にどのように関わるかを論じます。
まとめ:HAD結果の適切な記述方法
HADを用いた心理学的な評価結果の記述は、数値の提示とその解釈を正確に行うことが重要です。研究の目的に応じて、統計的な分析や得点の分布を明示し、その結果をどのように解釈するかを考慮した上で議論を進めましょう。これにより、読者は結果を正確に理解でき、研究の信頼性が高まります。


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