電験2種の送電問題:有効電力と無効電力の求め方と計算のヒント

工学

電験2種の送電に関する問題で、発電機から送電線を経由して負荷に供給される有効電力Pと無効電力Qを計算する方法について解説します。特に、ベクトルの共役複素数や、電力計算における基準電圧の取り扱いに関してよくある質問を取り上げ、解説します。

送電の有効電力と無効電力の計算方法

送電線を介して負荷に供給される有効電力Pと無効電力Qは、送電端の電圧V_s、受電端の電圧V_r、および直列リアクタンスXを使用して求めることができます。基本的な公式では、電力PとQは電圧と電流の関係を元に計算されます。

まず、送電端電圧V_sを複素数形式で表現し、受電端電圧V_rを0度の位相で表すことにより、電力計算が可能になります。次に、送電線の直列リアクタンスXが与える影響を考慮し、電流Iを求めます。電流Iは、V_sとV_r、Xを使って導出されます。

ベクトルの共役複素数の取り扱い

質問の中で、「P + jQ = V_r I」について言及がありますが、ここで重要なのは「Iがベクトルで共役複素数であること」です。電力計算では、電圧と電流の積が複素数で表され、その共役を取ることで有効電力と無効電力を分けることができます。

具体的には、電流Iの共役複素数を取ることで、実数部分が有効電力P、虚数部分が無効電力Qになります。これにより、電力の各成分を正確に計算することができます。

「ErI」ではなく「VrI」の理由

質問では「ErIではないか?」という疑問が挙げられていますが、ここでの「Er」は電流を指す記号ではなく、通常の計算では「Vr」と表記される受電端電圧のことを指します。従って、正しい式は「VrI」です。電流Iは、電圧とリアクタンスの関係から求めるものであり、この式に基づいて計算を進めます。

「ErI」という表記はおそらく間違いで、実際には受電端の電圧V_rと電流Iの積として電力を計算します。これにより、電力計算が正確に行われます。

三相電力の計算と基準電圧

三相電力の計算では、各相の電圧と電流を基準にして計算します。基本的な電力の公式は、相電圧(基準ベクトル)と相電流の共役複素数を掛け算して求めることになります。この考え方は、三相電力の計算において非常に重要です。

また、計算では、各相電圧が基準ベクトルとして与えられ、相電流も同様に共役複素数で表現されます。これにより、三相システムの全体的な電力が求められます。

まとめ

電験2種の送電問題では、有効電力Pと無効電力Qを求めるために、複素数形式の電圧と電流の関係を理解し、共役複素数を適切に使用することが重要です。また、「VrI」や「ErI」の違いに注意し、正しい公式を使って計算を行うことが求められます。基本的な電力計算の理解を深め、送電の問題を確実に解けるようになりましょう。

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