学校教育において「英語が苦手」「歴史が苦手」という声はよく聞かれますが、全体として見ると歴史よりも英語に苦手意識を持つ人の方が多いと感じる場面は少なくありません。本記事では、その背景を学習構造や心理的要因の面から整理し、なぜそのような傾向が生まれるのかを考えていきます。
英語が苦手な人が多いと感じる理由
英語が苦手だと感じる最大の理由は、「外国語」である点にあります。日本語とは文法構造や語順、発音体系が大きく異なるため、直感的に理解しづらいと感じる人が多くなります。
さらに、英語は読む・書く・聞く・話すという複数の能力を同時に求められる科目です。一部が苦手なだけでも全体的に「できない」という意識を持ちやすく、苦手意識が強化されてしまいます。
歴史は「暗記できれば点になる」構造がある
一方で、受験科目としての歴史は、出題範囲と正解が比較的明確です。年号や出来事、人物関係を覚えれば得点につながるため、努力が成果に直結しやすいという特徴があります。
そのため、歴史が好きな人にとっては「作業的に覚えるだけで済む簡単な科目」と感じやすく、苦手な人がいること自体が不思議に思えることもあります。
英語は成果が見えにくい科目
英語学習の難しさは、努力と成果が比例しにくい点にもあります。単語を覚えても長文が読めるようになるまで時間がかかり、文法を学んでも会話がすぐ上達するわけではありません。
この「やってもすぐ結果が出ない」性質が、英語に苦手意識を持つ人を増やしている大きな要因だと言えます。
歴史が苦手な人が生まれる理由
一方、歴史が苦手な人も確実に存在します。そうした人の多くは、出来事の背景や因果関係に興味を持てず、単なる暗記科目として捉えてしまっています。
年号や人物名を「意味のない情報の羅列」と感じてしまうと、記憶に定着せず、苦手意識が強くなっていきます。これは英語が苦手な人の心理構造と本質的には同じです。
得意・不得意は興味と接触量で決まる
英語と歴史の得意不得意を分ける最大の要因は、才能よりも興味と接触量です。音楽や映画、海外文化に親しんできた人は英語に抵抗が少なくなります。
同様に、歴史ドラマや漫画、人物エピソードに触れてきた人は、歴史を自然と理解できるようになります。どちらも「好きな入口」があったかどうかが大きく影響しています。
まとめ
歴史よりも英語が苦手な人が多いと感じられるのは、英語が外国語であり成果が見えにくい科目だからです。一方、歴史も興味がなければ十分に難しく感じられます。得意・不得意は能力差ではなく、興味と経験の差によるものだと理解することが大切です。


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