重曹の熱分解と質量計算:炭酸水素ナトリウムの反応式を学ぶ

化学

高2の科学における量的関係の問題では、化学反応式とモル質量を用いて、物質の質量を計算することが求められます。ここでは、ベーキングパウダーの主成分である重曹(炭酸水素ナトリウム、NaHCO3)の熱分解に関する問題を解説します。この問題では、炭酸ナトリウム(Na2CO3)を53g作るために必要な炭酸水素ナトリウムの質量を求める方法について学びます。

化学反応式の理解

まず、炭酸水素ナトリウムの熱分解反応式を確認します。反応式は以下のようになります。

2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2

この反応式によれば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は加熱されると、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)に分解します。ここで重要なのは、反応式の係数が物質のモル比を示していることです。

モル質量の計算

次に、炭酸ナトリウム(Na2CO3)のモル質量を計算します。モル質量は各元素の相対質量を合計することで求められます。

Na2CO3のモル質量は次の通りです。

  • ナトリウム(Na)の原子量 = 23 g/mol
  • 炭素(C)の原子量 = 12 g/mol
  • 酸素(O)の原子量 = 16 g/mol

したがって、Na2CO3のモル質量は、(2×23) + 12 + (3×16) = 106 g/mol となります。

必要な炭酸水素ナトリウムの質量

問題の中で「炭酸ナトリウム53gを作る」とありますので、炭酸ナトリウムのモル質量106gを基に、必要な炭酸水素ナトリウムの質量を計算します。

反応式では、2モルのNaHCO3から1モルのNa2CO3が生成されることが分かります。このため、炭酸ナトリウムの質量53gを得るために必要な炭酸水素ナトリウムの質量は次のように計算できます。

必要なNaHCO3のモル数 = (53g / 106g/mol) × 2 = 1モル

よって、炭酸水素ナトリウム1モルの質量は、NaHCO3のモル質量(84g/mol)を使って計算します。

必要なNaHCO3の質量 = 1 × 84g = 84g

したがって、炭酸ナトリウム53gを作るためには、84gの炭酸水素ナトリウムが必要です。

まとめ

この問題を通じて、化学反応式を用いたモル質量の計算方法を学びました。炭酸水素ナトリウムの熱分解によって炭酸ナトリウムを得る場合、必要な炭酸水素ナトリウムの質量を求めるためには、反応式に基づいたモル比を用い、各物質のモル質量を計算することが重要です。今回の例では、炭酸ナトリウム53gを得るために84gの炭酸水素ナトリウムが必要だということが分かりました。

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