確率空間 (Ω,F,P) 上の非負確率変数の列 {r_n}_{n∊N} と、λ>0 に関する問題が与えられています。問題では、次の式が成立していることを示す必要があります。
- P(max_{1≦n≦k} r_n > λ) ≦ (1/λ) E(max_{1≦n≦k} r_n)
- P(sup_{n≧1} r_n > λ) ≦ (1/λ) sup_{n≧1} E(r_n)
この問題において、重要なのは単調収束定理をどのように適用するかという点です。単調収束定理を使うことで、sup_{n≧1} r_n とその期待値との関係を理解し、証明を進めることができます。
単調収束定理の理解と適用
単調収束定理は、特に確率論において重要な役割を果たします。この定理は、単調に増加または減少する関数の極限に対して、その極限値に収束することを保証します。問題で求められている式に関しても、この定理を利用することで、sup_{n≧1} r_n とその期待値の関係を示すことができます。
具体的には、r_n が単調収束する場合、sup_{n≧1} r_n の期待値がその上限に収束することを確認し、その後に積分や期待値の性質を利用して、式を証明することが可能です。
積分と期待値の操作
この問題において、積分と期待値の操作が必要になります。具体的には、次のように積分を使用して、全体の上限を評価することができます。
- 積分の順序を変えたり、積分範囲を調整することで、sup_{n≧1} r_n とその期待値の関係を明確にする
- 期待値の性質を利用して、r_n の期待値がどのように収束するかを確認する
これにより、sup_{n≧1} r_n > λ の確率が (1/λ) sup_{n≧1} E(r_n) 以下であることを示すことができます。
証明の流れと重要なステップ
証明の流れとしては、次の手順で進めます。
- まず、r_n が単調収束することを確認し、その収束値が sup_{n≧1} r_n であることを示します。
- 次に、期待値の性質を利用し、sup_{n≧1} E(r_n) と r_n の関係を明確にします。
- 最後に、積分を使って、P(sup_{n≧1} r_n > λ) を上界で評価し、(1/λ) sup_{n≧1} E(r_n) がその上限であることを証明します。
まとめ
この問題は、単調収束定理を活用することで、確率変数列 {r_n} の上限とその期待値の関係を明確にし、式の証明を進めることができます。証明には、積分の操作と期待値の性質を適切に利用することが重要です。この手法を使うことで、P(sup_{n≧1} r_n > λ) ≦ (1/λ) sup_{n≧1} E(r_n) を成り立たせることができます。


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