硫酸のpH計算:二段階目の電離について

化学

硫酸のpHを計算する問題では、電離定数や電離の程度をしっかり理解することが重要です。質問者は、0.1 mol/Lの硫酸のpHを求める際に、なぜ二段階目の電離でもH+濃度が0.1 mol/Lとされるのかについて疑問を持っています。この記事では、その理由を詳しく解説します。

1. 硫酸の電離とpHの関係

硫酸(H₂SO₄)は強酸であり、最初の電離が完全であるため、1 mol/Lの硫酸でもH+濃度は1 mol/Lに等しいと仮定できます。しかし、二段階目の電離は完全ではなく、その電離定数は2×10⁻² mol/Lです。このため、二段階目の電離がどのようにpHに影響を与えるのかを理解することが大切です。

まず、最初の電離によって、硫酸1 molあたり1 molのH+が生成されます。これにより、0.1 mol/Lの硫酸のH+濃度は0.1 mol/Lとなり、最初の段階ではpHに大きな影響を与えます。

2. 二段階目の電離の影響

次に、二段階目の電離を考えます。二段階目の電離は完全電離ではないため、そのH+濃度を正確に求めるためには電離定数を使用します。しかし、問題で示されている条件では、H+の濃度が0.1 mol/Lとして扱われている理由について説明します。

これは、最初の電離によってすでに0.1 mol/LのH+が存在するため、二段階目の電離によるH+の影響があまり大きくないと考えられるためです。電離定数が示す通り、二段階目の電離は完全ではなく、H+の増加量は非常に小さいです。したがって、二段階目の電離でのH+濃度が追加されるとしても、実際には0.1 mol/Lとほぼ等しいと見なされます。

3. pH計算の流れ

0.1 mol/Lの硫酸では、最初の電離で0.1 mol/LのH+が生成されます。二段階目の電離による影響を無視できるほど小さい場合、H+濃度は0.1 mol/Lとみなして計算することができます。

pHは次の式で求められます。

pH = -log[H+]

ここで、[H+] = 0.1 mol/Lなので、pH = -log(0.1) = 1 となります。このように、二段階目の電離が影響しない場合、pHは1として求められます。

4. 実際の計算と結果

実際に計算してみると、0.1 mol/Lの硫酸におけるpHはほぼ1であることが分かります。二段階目の電離の影響を無視する理由は、電離定数が小さく、二段階目のH+の生成量が最初の電離で生成された量に比べて微小であるからです。

5. 結論

0.1 mol/Lの硫酸におけるpHは、最初の完全電離により0.1 mol/LのH+が生成され、二段階目の電離がほとんど影響しないため、pHは1であると計算できます。電離定数の影響は無視できるほど小さいため、二段階目のH+濃度も0.1 mol/Lとして扱うことが適切です。

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