大学入試の複素数分野では、複雑そうに見える積の絶対値を、性質を使って一気に簡単化する問題が頻出します。本記事では、Zn=(1+i)(1+(i/√2))(1+(i/√3))…(1+(i/√n))の形で定義される数列について、|Zn|を一般のnで求める考え方を整理します。
絶対値計算の基本方針
複素数の積の絶対値は、各因子の絶対値の積に等しいという性質があります。
|z1·z2·…·zn|=|z1||z2|…|zn|
したがって、Zn全体を直接扱うのではなく、各項(1+i/√k)の絶対値を個別に計算すればよいことになります。
各因子の絶対値を計算する
複素数1+i/√kの絶対値は、定義より次のようになります。
|1+i/√k|=√(1²+(1/√k)²)=√(1+1/k)
すべての項が同様の形になるため、積全体は次の形に整理できます。
積の形を整理するポイント
|Zn|=∏(k=1→n)√(1+1/k)=√(∏(k=1→n)(1+1/k))
ここで重要なのは、中の積が次のように変形できる点です。
1+1/k=(k+1)/k
これを用いると積は連鎖的に約分され、望ましい形になります。
積の簡単化と最終結果
∏(k=1→n)(k+1)/k=((2/1)×(3/2)×…×((n+1)/n))=n+1
以上より、Znの絶対値は次のように定まります。
|Zn|=√(n+1)
まとめ
一見すると複雑な複素数の積でも、「絶対値の積=積の絶対値」という基本性質と、分数の積がもつ連鎖的な約分を使えば、非常にコンパクトな結果にたどり着きます。本問では、|Zn|はnに対して√(n+1)と単純に表され、入試問題としても美しい典型例といえます。


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