台湾ではどの言語が学校教育で使われているのかは、中国語学習者や台湾文化に関心のある人にとってよくある疑問です。特に「台湾でも学校ではマンダリン(北京語)を教えているのか」という点は混同されやすいため、教育制度と言語政策の実情を整理して紹介します。
台湾の学校で教えられている主要言語
台湾の公立学校における主要な教授言語は、いわゆるマンダリンにあたる「国語(國語)」です。これは中国大陸で使われる普通話と同系統の標準中国語で、発音や語彙に台湾独自の特色はあるものの、基本的な文法構造は共通しています。
国語は小学校から高校まで必修科目であり、国語・算数・理科・社会といった主要教科は基本的に国語で授業が行われます。そのため、学校教育の基盤言語はマンダリンであると言えます。
台湾のマンダリンと中国大陸の違い
台湾で使われるマンダリンは、中国大陸の普通話と比較すると、発音・語彙・表記にいくつかの違いがあります。例えば、台湾では繁体字が使われており、教材や教科書もすべて繁体字です。
また、発音では「er化」がほとんど使われず、語調が比較的柔らかいとされます。こうした違いはあるものの、学習者の視点では「同じマンダリンの地域差」と理解するのが適切です。
台湾語や客家語は学校で教えられないのか
台湾では国語以外にも、台湾語(閩南語)、客家語、原住民族の言語が存在します。かつては学校教育で国語のみが重視されていましたが、現在は多言語教育が進められています。
具体的には、小学校を中心に「郷土言語教育」として台湾語や客家語、原住民族語を選択科目または必修に近い形で学ぶ機会が設けられています。ただし、主要教科の教授言語はあくまで国語です。
英語教育と外国語の位置づけ
台湾では英語教育にも力が入れられており、小学校中学年あるいは低学年から英語が必修科目として導入されています。中学・高校では読解や会話に加え、試験対策も重視されます。
大学以降では、英語以外にも日本語や韓国語などを第二外国語として学ぶ学生も多く、台湾全体として複数言語への関心が高いことが特徴です。
留学生や海外から見た台湾の言語教育
海外から台湾に留学する学生向けには、マンダリンを教える「華語文中心(中国語センター)」が大学内に設置されていることが一般的です。ここで教えられているのも、台湾式マンダリンです。
そのため、日本や欧米から来た学習者も、台湾ではマンダリンを学びながら、台湾独自の表現や文化的背景に触れることになります。
まとめ:台湾の学校教育と言語の関係
台湾の学校教育における中心言語はマンダリン(国語)であり、これは中国大陸の普通話と同じ系統の標準中国語です。一方で、台湾語や客家語なども補助的に教育され、多言語社会としての特徴も持ち合わせています。したがって、「台湾でも学校で教えるのはマンダリンか」という問いに対しては、「はい、基礎はマンダリンだが、多言語教育も進んでいる」と整理するのが適切でしょう。


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