このページでは、物理や数学でよく扱うテーラー展開と最適化の問題について解説します。特に、関数のテーラー展開やラグランジュの未定乗数法を使用した最適化の方法に焦点を当てます。以下では、3つの具体的な問題を取り上げ、その解法と式を示します。
問題1: log(cos(x)) のテーラー展開
関数 log(cos(x)) を x = 0 におけるテーラー展開で求めます。テーラー展開の公式は、関数 f(x) の n 次のテーラー展開として、次のように表されます。
f(x) = f(0) + f'(0)x + (f''(0)/2!)x^2 + (f'''(0)/3!)x^3 + ...
ここで、f(x) = log(cos(x)) の導関数を求めて展開します。
f(x) = log(cos(x)) の f'(x), f”(x), f”'(x) を求めると、それぞれ次のようになります。
f'(x) = -tan(x)
f''(x) = -sec^2(x)
f'''(x) = -2sec^2(x)tan(x)
これを x = 0 で求めると。
f(0) = log(cos(0)) = 0
f'(0) = -tan(0) = 0
f''(0) = -sec^2(0) = -1
f'''(0) = -2sec^2(0)tan(0) = 0
したがって、テーラー展開は次のように求められます。
log(cos(x)) ≈ 0 - (1/2!)x^2 = -x^2/2
問題2: (x+3)^(y+4) のテーラー展開
次に、関数 (x+3)^(y+4) をテーラー展開します。これを x = 0, y = 0 における展開を考えます。関数 f(x,y) = (x+3)^(y+4) のテーラー展開は、2変数のテーラー展開を用います。
f(x,y) ≈ f(0,0) + f_x(0,0)x + f_y(0,0)y + (1/2!)f_xx(0,0)x^2 + (1/2!)f_yy(0,0)y^2 + f_xy(0,0)xy
計算の結果。
f(0,0) = 3^4 = 81
f_x(0,0) = (y+4)3^(y+3)
f_y(0,0) = 3^(y+4)ln(3)
これらの導関数を展開していきますが、結果として次のように表現できます。
(x+3)^(y+4) ≈ 81 + 4x + 4ln(3)y
問題3: ラグランジュの未定乗数法を用いた最適化
ラグランジュの未定乗数法を使って、G(x,y) = x^4 + y^4 – 5, g(x,y) = x^3 – 3y^2 の条件下で g(x,y) の極値を求めます。
ラグランジュ未定乗数法では、L = g(x,y) – λG(x,y) を定義します。ここで、λはラグランジュ乗数です。Lをx, y, λで偏微分し、それぞれの偏微分をゼロに設定して連立方程式を解きます。
∂L/∂x = 3x^2 - λ(4x^3) = 0
∂L/∂y = -6y - λ(4y^3) = 0
∂L/∂λ = -(x^4 + y^4 - 5) = 0
この連立方程式を解いて、最小値と最大値を求めます。数値計算を行うと、最小値と最大値が得られます。
まとめ: 問題解決のアプローチ
本記事では、3つの問題に対する解法を示しました。テーラー展開を使って関数の近似を求め、ラグランジュの未定乗数法を用いて最適化問題を解決しました。これらの方法は、物理や数学の問題解決において非常に重要です。理解を深めるために、実際に式を手で解いてみることをおすすめします。


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