在庫管理において、発注量と発注回数を最適化することは非常に重要です。特にコスト削減と効率化を目指す場合、発注にかかる費用、保管料、そして最小在庫制約を考慮しながら最適な発注量を求める必要があります。この記事では、問題を解きながら発注量と発注回数をどのように求めるかを解説します。
1. 問題の整理
まず、与えられた情報を整理しましょう。以下の条件があります。
- ひと月の売上量:10,000個
- 1回の発注に必要な費用:200円
- 商品1個あたりの価格:100円
- 商品1個にかかる保管料:価格の4%(1個あたり4円)
- 最低在庫量の制約:300個
これらの条件に基づき、最も経済的な1回の発注量と発注回数を求める必要があります。
2. 経済的発注量(EOQ)の計算
発注にかかるコストを最小化するためには、経済的発注量(EOQ: Economic Order Quantity)を求める方法が一般的です。EOQの計算式は次の通りです。
EOQ = √((2 * D * S) / H)
ここで、
- D:年間の需要量(ここでは10,000個×12ヶ月)
- S:1回の発注にかかる費用(200円)
- H:1個あたりの年間保管コスト(4円×12ヶ月)
これらを式に代入して計算します。
年間の需要量D = 10,000個 × 12 = 120,000個
1回の発注にかかる費用S = 200円
1個あたりの年間保管コストH = 4円 × 12 = 48円
これをEOQの式に代入すると、
EOQ = √((2 * 120,000 * 200) / 48) = √(48,000,000 / 48) = √1,000,000 = 1,000個
3. 発注回数の計算
次に、発注回数を求めます。発注回数は、年間の需要量を1回の発注量で割ったものです。
発注回数 = 120,000個 ÷ 1,000個 = 120回/年
つまり、年間で120回の発注を行うことになります。1ヶ月あたりの発注回数は、120回 ÷ 12ヶ月 = 10回です。
4. まとめ:最適な発注量と発注回数
この問題の最適解は、1回の発注量が1,000個、発注回数が月に10回となります。これにより、発注コストと保管コストを最小化することができます。
要点は、EOQを使って発注量を求め、そこから発注回数を算出することです。最低在庫量300個を下回らないように調整するためには、EOQがその制約内に収まることを確認することが大切です。


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