生物基礎における拒絶反応は重要なテーマであり、移植手術や免疫の理解において欠かせません。この記事では、質問者が抱いている疑問を解消し、拒絶反応がどのように進行するか、関わる免疫細胞についてわかりやすく説明します。
拒絶反応のメカニズム
拒絶反応は、異物が体内に入ると、免疫システムがそれを排除しようとする反応です。特に移植の場合、自己とは異なる系統の組織や臓器が移植されると、免疫細胞がそれを「非自己」と認識して攻撃します。この過程で重要なのは、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞、NK細胞(自然免疫細胞)などです。
移植後の反応の流れ
初回の移植後、体は異物に対して免疫反応を起こし、記憶細胞(特にヘルパーT細胞やキラーT細胞、B細胞)が形成されます。次回、異なる系統の移植が行われると、これらの記憶細胞が活性化し、拒絶反応が早く強く発生します。ここで記憶細胞は、NK細胞やキラーT細胞を刺激し、攻撃を強化します。
そのため、質問者が述べた「記憶細胞によってNK細胞やキラーT細胞が活性化し、拒絶反応が起こる」という流れは概ね正しいです。しかし、重要なのは「記憶細胞」が中心になって反応を加速させる点で、NK細胞やキラーT細胞がその役割を補完し、互いに協力して反応を強化するのです。
NK細胞と好中球の違い
質問者の疑問にある通り、NK細胞は自然免疫に関わる細胞です。キラーT細胞と異なり、NK細胞は特定の抗原に対しての「記憶」を持たないため、即座に異物を攻撃することができます。一方、好中球は主に細菌感染に反応し、食作用によって病原菌を取り込む働きをしますが、移植拒絶反応においては、直接的な役割は少ないとされています。
免疫反応の最後の段階:食作用
細胞性免疫や体液性免疫が作用した後、マクロファージが異物を取り込んで処理します。これは「食作用」と呼ばれ、移植された異物が免疫系によって攻撃され、最終的にマクロファージによって除去される過程です。キラーT細胞やNK細胞が異物を直接攻撃した後、その残骸はマクロファージが取り込み、分解します。
生物基礎で覚えておくべき免疫の基本
生物基礎の範囲では、免疫系の基本的な働きを理解することが重要です。移植拒絶反応に関する知識もその一部で、免疫細胞(特にT細胞とB細胞)の働き、自己と非自己の認識、また免疫応答のメカニズムは、共通テストや定期テストで頻出のテーマとなります。
テスト対策としては、免疫系の各細胞の役割をしっかりと理解し、拒絶反応の流れやその細胞間の協力関係を押さえておくと良いでしょう。
まとめ
拒絶反応は、記憶細胞が再度異物を攻撃することで強化される複雑な免疫反応です。NK細胞やキラーT細胞が主要な役割を果たし、その後、マクロファージが食作用を行って異物を除去します。生物基礎の範囲では、免疫細胞の協力によって異物が排除される仕組みを理解しておくことが重要です。


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