大学数学の積分問題の解法:孤立特異点の計算と部分分数分解

大学数学

この問題では、複素関数の積分計算において重要な孤立特異点の特定、部分分数分解、そしてCauchy積分公式を利用した計算方法について解説します。

問題の整理

まず問題を整理しましょう。与えられた積分は、円C = {z ∈ C | |z| = 1}上での積分であり、積分式は次のようになります。

 I = ∫_C dz / (z^2(z + 2)) 

これを解くために、いくつかのステップに分けて計算を進めます。

孤立特異点の求め方

まず、f(z) = 1 / (z²(z + 2)) の孤立特異点を求めます。この関数は、分母にz²と(z + 2)があるため、z = 0 と z = -2 の2点で特異点が存在します。

ここで、z = 0 は2重の特異点(2次の極)であり、z = -2 は単純な特異点です。したがって、孤立特異点はz = 0とz = -2です。

円C内部の特異点

次に、これらの特異点のうち、円Cの内部にあるものを求めます。円Cは|z| = 1 という条件であり、z = 0 はこの円の内部にありますが、z = -2 は円Cの外部にあります。

したがって、円Cの内部にある孤立特異点はz = 0のみです。

部分分数分解

次に、f(z) = 1 / (z²(z + 2)) を部分分数に分解します。部分分数分解を行うためには、まず以下の形に分解します。

 1 / (z²(z + 2)) = A / z + B / z² + C / (z + 2) 

この式の定数A, B, Cを求めるために、両辺にz²(z + 2)を掛けて計算します。

 1 = A * z(z + 2) + B * (z + 2) + C * z² 

ここでz = 0 と z = -2 を代入することで、定数A, B, Cを求めることができます。最終的に得られる部分分数分解は次のようになります。

 1 / (z²(z + 2)) = 1 / z² - 1 / (z + 2) 

積分の計算

次に、得られた部分分数分解を用いて積分Iを計算します。積分Iは次のように分解できます。

 I = ∫_C (1 / z² - 1 / (z + 2)) dz 

この積分は、Cauchyの積分公式を用いることで計算できます。Cauchyの積分公式によると、次の式が成り立ちます。

 ∫_C g(z) / (z - z_0)^(k+1) dz = (2πi / k!) g^(k)(z_0) 

ここで、g(z)はC内で正則な関数であり、kは積分する次数です。z_0が特異点である場合に適用されます。

まとめと計算結果

今回の問題では、Cauchy積分公式を用いてf(z)を積分することで、結果が求まります。z = 0における積分を適用することで、最終的な解が得られます。このような計算方法は、複素積分の解法において重要なスキルとなります。

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