電検1種 2次試験 R元年問2の(2)の解説と理解のポイント

工学

電検1種の試験では、同期電動機に関する理論を深く理解することが求められます。今回は、R元年の試験問題に登場した三相円筒型同期電動機に関する問題を解説します。特に、電機子電流の最小値とその求め方について詳しく見ていきましょう。

問題の理解:三相円筒型同期電動機の運転条件

問題では、三相円筒型同期電動機の運転において、端子電圧(Vn)と出力(P1)が与えられ、電機子電流(Ib)の最小値を求めることが求められています。V曲線上で界磁電流を変化させたとき、Ibが最小となる点での計算を行います。

V曲線とは、同期電動機における界磁電流と電機子電流の関係を示す曲線であり、出力が一定の場合、電機子電流が最小となる界磁電流の値を求めることができます。この最小点では、IbをP1とVnを用いて表現することが求められます。

解答のアプローチ:Ib=P1/Vnの導出

問題文の答えであるIb=P1/Vnは、出力PがVnとIbの積に力率cosΘを掛けたものとして表されます。具体的には、出力Pは次の式で表されます。

P = Vn * Ib * cosΘ

ここで、P1が出力Pを示し、VnとIbが端子電圧と電機子電流を意味します。したがって、IbをP1/Vnと表すことができるのです。

同期電動機の出力式と力率角の関係

次に、同期電動機の出力式であるP = EIcos(Θ – δ)に注目しましょう。ここで、Eは無負荷状態での誘導起電力、Θは力率角、δは内部相差角です。

力率角Θが0である場合、PはEcosδと簡略化されます。力率角Θが0であるということは、力率が1である、すなわち電流と電圧が完全に一致する状態を意味します。

出力式の最終的な理解とIbの表現

最終的に、Ibは次のように表されます。

Ib = P1 / (E * cosδ)

ここで、P1は出力、Eは無負荷の誘導起電力、cosδは内部相差角による調整項です。これにより、IbをP1とEcosδの関係で表すことができます。

まとめ

電検1種の試験問題で求められるIbの最小値をP1とVnで表す方法を解説しました。問題文の式Ib=P1/Vnは、同期電動機の運転条件に基づいた力率角の理解と、出力Pを基にした計算結果として導かれました。これにより、電機子電流を最小化する条件とその導出方法が明確になりました。

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