大学数学における複素関数の微分可能性と実部・虚部の計算について、問題を分解してわかりやすく解説します。特に、与えられた関数f(z) = 1/4{(z + z̅)² – i(z + z̅)²}に対する実部u(x, y)と虚部v(x, y)の求め方、微分可能性、解析性について詳しく説明します。
問題の整理
問題は複素関数f(z)に関するものです。まず、z = x + iyとおいてf(z) = 1/4{(z + z̅)² – i(z + z̅)²}を考えます。この関数は、zの実部xと虚部yによって定義されており、実部u(x, y)と虚部v(x, y)を求めることが要求されています。
u(x, y), v(x, y)の求め方
f(z)をz = x + iyとz̅ = x – iyを使って展開します。
f(z) = 1/4{(z + z̅)² - i(z + z̅)²}
z + z̅ = 2x であるため、f(z)は次のように書き換えられます。
f(z) = 1/4{(2x)² - i(2x)²} = 1/4{4x² - i4x²}
これを実部と虚部に分けると、実部u(x, y) = x²、虚部v(x, y) = -x²となります。
u(x, y), v(x, y)は全微分可能か
次に、u(x, y)とv(x, y)が全微分可能かどうかを確認します。微分可能性を判断するために、Cauchy-Riemannの方程式を利用します。u(x, y)とv(x, y)が全微分可能であれば、この方程式が成り立たなければなりません。
∂u/∂x = ∂v/∂y と ∂u/∂y = -∂v/∂x
u(x, y) = x²およびv(x, y) = -x²に対して、Cauchy-Riemannの方程式をチェックすると、結果としてこれらの方程式は成り立たないため、u(x, y)とv(x, y)は全微分可能ではないことがわかります。
微分可能な点
次に、f(z)が微分可能である点を求めます。微分可能であるためには、Cauchy-Riemannの方程式が成り立つ必要があります。先程の計算から、Cauchy-Riemannの方程式が成り立たないことがわかりました。したがって、この関数は全ての点で微分可能ではありません。
解析的な関数となる点
最後に、関数f(z)が解析的である点を求めます。解析的であるためには、複素関数がその点で微分可能でなければなりません。微分可能でない点では解析的ではないため、f(z)が解析的である点は存在しません。
まとめ
この問題では、与えられた複素関数f(z)に対して実部と虚部を求め、それが全微分可能であるか、また微分可能である点や解析的な点を調べました。結果として、この関数は全微分可能ではなく、微分可能である点や解析的な点も存在しないことがわかりました。


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