『西国立志編』の一文「忽ち壮遊して、域外を馳観しこうかいを吸嘘して濁穢をけんてきせんと思う」の意味解説

『西国立志編』の中の一文「忽ち壮遊して、域外を馳観しこうかいを吸嘘して濁穢をけんてきせんと思う」は、非常に文学的で古風な表現が使われており、現代日本語に訳すのが少し難しいかもしれません。この記事では、この一文の意味を丁寧に解説します。

「忽ち壮遊して」

「忽ち壮遊して」という部分は、急にどこかに出かけて遊びに行くことを意味します。「壮遊」というのは、壮大な遊びや冒険を意味する表現です。つまり、急に旅行や冒険に出たいという気持ちを表しています。

「域外を馳観し」は、領域外、つまり自分の知っている範囲を超えた場所を走り回って観察することを意味しています。ここでは、視野を広げて新しい世界を見て回りたいという思いが表現されています。

「こうかいを吸嘘して」は、非常に文学的な表現ですが、「後悔を吸い込んで嘘をつく」という意味に近いと考えられます。「後悔」とは過去の行動に対する反省や悔いであり、それを「吸嘘して」という言葉で表現することで、何か虚構や自分を偽った気持ちを内面で感じていることを暗示しています。

最後の部分「濁穢をけんてきせんと思う」は、「穢れたもの、汚れたものをけじめとして切り捨てて清らかなものにしたい」という思いを意味しています。「濁穢」とは、汚れや不潔なもの、「けんてきせん」はそれをきれいに払拭したいという意志を表します。

この一文を全体として解釈すると、筆者は自分の限界を超えて新しい世界を見て回り、過去の後悔を受け入れつつも、それを乗り越えて清らかな未来を切り開こうという強い意志が表現されています。『西国立志編』におけるこの表現は、自己改善や成長を目指す強い決意を象徴しています。