シュウ酸標準溶液を用いた滴定実験では、未知酸溶液の濃度を求めるためにいくつかの変数を使います。実験で得られたデータをどのように計算し、式にまとめるのかを解説します。特に、「v₀」が消える理由についても触れます。
実験の概要と必要なデータ
この実験では、シュウ酸標準溶液の濃度を「c」とし、使用するホールピペットの容積を「v₀」、そしてビュレットからの水酸化ナトリウム溶液の滴下量をそれぞれ「v₁」(シュウ酸標準溶液)、および「v₂」(未知酸溶液)としています。
まず、シュウ酸と水酸化ナトリウムの間で行う中和反応を利用して、未知酸溶液の濃度を求めます。滴定に使用する水酸化ナトリウム溶液の濃度は既知であり、これを基に計算を行います。
計算式の導出
シュウ酸標準溶液の濃度「c」を求めるための式は、以下のように導出されます。
1. 中和反応式に基づき、シュウ酸と水酸化ナトリウムは1:1のモル比で反応します。
2. それぞれの溶液の濃度と体積から、モル数を求めます。
3. 反応におけるモル数の関係を使い、未知酸溶液の濃度を計算します。
この結果、次のような式が得られます。
c = (v₁ × c₀) / v₂
ここで、c₀は水酸化ナトリウム溶液の濃度、v₁はシュウ酸標準溶液の滴下量、v₂は未知酸溶液の滴下量です。
「v₀」が消える理由
質問の中で「v₀が消える」という点についてですが、これはシュウ酸標準溶液と未知酸溶液の両方で同一のホールピペットを使用しているためです。ホールピペットの容積「v₀」は、両方の溶液に共通しているため、計算式においては影響を与えず、最終的に消去されます。
「v₀」が計算式から消えるのは、実際には「v₀」がどちらの溶液にも同じように適用されているからです。したがって、この値が同じであれば、式中で割ることにより相殺され、最終的に計算においては無視されることになります。
まとめ
シュウ酸標準溶液を用いた滴定実験では、シュウ酸と水酸化ナトリウムの反応を基に未知酸溶液の濃度を求めます。計算式を導出する際に「v₀」が消えるのは、使用するホールピペットの容積が共通しているためです。このように、滴定実験においては一定の条件を基に計算を行うことができ、計算がスムーズに進みます。


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