『栄花物語』の「上はかしこく御車に乗せ奉りて、おましながらかきおろし奉りける。」についての解説

『栄花物語』の中で出てくる「上はかしこく御車に乗せ奉りて、おましながらかきおろし奉りける。」という部分について、いくつかの疑問があります。まずは「上は誰を乗せ申し上げたのか？」と「おましながら」の意味が不明だということについて、詳しく解説していきます。

1. 「上はかしこく御車に乗せ奉りて」とは誰を乗せたのか？

「上はかしこく御車に乗せ奉りて」という表現での「上」は、皇族や高貴な人物を指します。具体的には、宮廷内での敬称を含んだ「上」にあたる人物です。この場合、「上」は女性であり、皇后や王妃など、重要な立場にある女性が対象となります。従って、「御車に乗せ奉りて」とは、その高貴な女性を車に乗せる動作を表しています。

2. 「おましながら」の意味とは？

「おましながら」という表現は、古典文学において使われることのある表現です。ここでの「おましながら」は、行動を進めながら同時に何かをするという意味です。具体的には、この場合、乗せた人物が「おましながらかきおろし奉りける」ということで、筆を使って書き物をしていたことを示しています。言い換えると、御車に乗りながら、筆で文書をしたためていたということになります。

3. まとめ: この文の解釈

この一節は、皇族の女性が高貴な位置にありながらも、何かを記録している場面を描いています。つまり、「上」を車に乗せ、またその中で仕事をしている姿が描かれており、その行動が同時に行われていることを示しています。このような記述は、当時の宮廷での女性の立場やその役割を示すものといえます。