『源氏物語』の冒頭、光源氏の誕生を描いた部分で登場する「まう上らせたまふ」という表現は、敬語の使い方に関する重要なポイントです。このフレーズが意味する敬意の方向について、特に「作者から帝への謙譲語」という解釈と、「帝から桐壺更衣への敬語」という解釈があり、初心者には理解しづらい部分かもしれません。この記事では、この敬語表現の意味とその背景について解説します。
「まう上らせたまふ」の意味と敬語の使い分け
「まう上らせたまふ」は、源氏物語の中で使われる敬語表現で、現代日本語に訳すと「お上(あが)りさせになる」といった意味になります。ここで重要なのは、この表現における敬意の方向です。「まう上らせたまふ」の「まう上らせる」は使役の意味があり、ある人物に何かをさせるという意味合いがあります。
また、「たまふ」という語は、尊敬の意を表す動詞で、敬語の中でも高い尊敬の意を含みます。つまり、桐壺更衣が光源氏を帝に引き合わせるために上がらせるという状況の中で、使用される敬語表現です。
「まう上らせたまふ」の敬意の方向:帝から桐壺更衣への使役か?
「まう上らせたまふ」が帝から桐壺更衣への使役を意味しているのか、それとも逆に桐壺更衣から帝への謙譲語として使われているのかという点については、解釈が分かれるところです。一般的な理解としては、この表現は帝から桐壺更衣に向けた敬語であると解釈されています。
帝が桐壺更衣に光源氏を上らせるように命じる場面で、「まう上らせたまふ」は、帝の権威を表す尊敬語として使われているため、この敬語の方向は「帝から桐壺更衣に向けられた使役命令」であると解釈できます。
敬語の用法と『源氏物語』における文体
『源氏物語』は、平安時代の貴族社会を描いた文学作品で、古典文学における敬語の用法を理解するためには、その時代特有の言語感覚を捉えることが大切です。『源氏物語』では、特に人物同士の関係性に応じて敬語が使い分けられており、その微妙な違いを把握することが、作品理解に深みを与える要素となります。
敬語がどのように使われ、どのような方向に向けられるかを理解することは、源氏物語の登場人物たちの心情や関係性をより深く理解するためにも欠かせません。
初心者でも分かりやすく敬語を理解するためのアプローチ
『源氏物語』のような古典文学における敬語の使い方は、現代日本語とは異なり、敬意の方向や表現が非常に複雑です。初心者でも理解しやすくするためには、以下のポイントを抑えておくと良いでしょう。
- 敬語の基本的な使い分け(尊敬語、謙譲語、丁寧語)を理解する
- 文脈をよく読み、誰がどの人物に対して敬意を示しているのかを意識する
- 注釈や解説書を活用して、当時の言語感覚や社会的背景を学ぶ
まとめ:敬語の方向を理解して『源氏物語』をより深く楽しもう
『源氏物語』における「まう上らせたまふ」という表現は、帝が桐壺更衣に対して敬意を込めた使役の命令を表しています。この敬語の使い方を理解することで、物語の登場人物たちの関係性や、当時の社会的な構造に対する深い理解が得られるでしょう。
『源氏物語』の敬語表現は非常に繊細で、作品全体を通じて繰り返し現れます。そのため、敬語の使い方を意識しながら読むことで、物語をより深く楽しむことができるでしょう。


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