万葉集に収められている「あしひきの山のしずくに妹待つと我立濡れぬ山のしずくに」と「我待つと君が濡れけむあしひきの山のしずくにならましものを」の二つの歌は、しばしば「受け答えの歌」と呼ばれますが、これらの和歌の関係性については何と呼ばれるのか気になる方も多いでしょう。この記事では、この二つの歌がどのように関係しているのか、またその関係性を正確に示す用語について解説します。
万葉集の和歌と「受け答えの歌」
万葉集に収められた「あしひきの山のしずくに妹待つと我立濡れぬ山のしずくに」と「我待つと君が濡れけむあしひきの山のしずくにならましものを」という二つの歌は、いわゆる「受け答えの歌」として紹介されます。これらは、同じテーマや情景を別の視点で詠んでいる点が特徴です。
最初の歌では、男性の立場から女性に対する期待を表現しています。二番目の歌ではその女性が男性を待つ気持ちが表され、まるでお互いの思いが繋がっていくような関係性を描いています。これが「受け答えの歌」と呼ばれる理由です。
「受け答えの歌」の正しい用語は?
「受け答えの歌」という表現は、和歌の中で二つの歌が対になっている場合に使われることがありますが、正式には「掛け言葉」や「返し歌」などがより適切な呼び名として使われることもあります。
この「掛け言葉」や「返し歌」という言葉は、言葉を交わすように、ある歌が別の歌を受ける形で成立することからきています。具体的には、先に詠まれた歌に対して返答や応答がなされる形式の和歌です。
授業で習った「唱和」とは異なる
質問者がノートにメモしていた「唱和」という言葉は、実際にはこの文脈にはあまり適さないかもしれません。「唱和」という言葉は、通常、複数の人々が同じ歌を一緒に歌うという意味で使われます。したがって、「受け答えの歌」や「返し歌」とは意味合いが異なります。
したがって、「受け答えの歌」や「掛け言葉」「返し歌」のような用語が、二つの歌が相互に関連していることを表現する際に適しています。
まとめ
「万葉集の和歌『あしひきの山のしずくに妹待つと我立濡れぬ山のしずくに』と『我待つと君が濡れけむあしひきの山のしずくにならましものを』」は、掛け言葉や返し歌としての関係性があり、一般的に「受け答えの歌」と呼ばれますが、正式には「掛け言葉」や「返し歌」という表現が適しています。このような和歌の関係性を理解することによって、文学作品の深い意味がよりよく感じ取れるようになります。


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