面心立方格子(FCC)は、結晶構造の一つであり、特に金属の結晶に多く見られます。この格子の配位数は、結晶内で1つの原子が周囲にどれだけ近接しているかを示します。しかし、配位数の数え方に関しては初心者には少し難しい点があります。本記事では、面心立方格子の配位数の計算方法と、なぜその数が12であるのかをわかりやすく解説します。
1. 面心立方格子(FCC)の構造とは?
面心立方格子は、原子が立方体の各頂点と各面の中央に配置された構造です。この構造は、金属の結晶に非常に多く見られ、例えばアルミニウムや銅、金などが代表的です。各単位格子内には4個の原子が含まれています。
2. 配位数の定義と計算方法
配位数とは、ある原子を中心にして、直接隣接している原子の数を示します。面心立方格子の場合、1つの原子を中心にして、12個の原子が直接隣接しています。これらの原子は、立方体の各面の中央にあるものと、隣接する格子点にあるものです。
3. どのように配位数が12に決まるのか
面心立方格子では、1つの原子が、周囲の原子に対して4つの面と隣接しています。それぞれの面には1つの原子が配置されており、各面の隣接する原子が直接接しています。また、立方体の8つの頂点にも原子が配置され、それらの原子はそれぞれ隣接する原子と接しています。これら全てを足すと、合計12個の原子が隣接していることになります。
4. 配位数が12である理由
面心立方格子の配位数が12である理由は、各原子が立方体の各面と頂点で他の原子と接しているからです。実際には、1つの原子が周囲の12個の原子と接触しており、この配位数はFCC構造の特徴的な性質です。配位数が12であることは、FCC格子の高密度な packing(詰め込み)を可能にし、金属の強度や柔軟性に影響を与えます。
5. まとめ
面心立方格子の配位数は12であることが決まっており、これは格子内の原子が互いにどのように配置されているかに基づいています。計算方法は、周囲の隣接する原子の数を数えるだけですが、具体的にどの位置の原子が隣接しているのかを理解することが重要です。この理解が深まると、他の結晶構造との比較もでき、結晶学の理解が進みます。


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