PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)では、DNAの特定の領域を指数関数的に増幅することができます。質問者のように、PCRを10サイクル行った後、DNA分子数がどのように増加し、さらにそれを1本鎖DNAに換算する意味について解説します。
1. PCRサイクルとDNA分子の増加
PCRを1回のサイクルで行うと、元のDNA分子が2倍に増えると考えます。つまり、1回のサイクル後にDNA分子は2倍に増加します。これが繰り返されると、サイクル数が増えるごとにDNA分子の数は指数関数的に増加します。
2. 10サイクル後の増加
PCRを10サイクル行った後、最初の1分子のDNAは2の10乗(1024)分子に増えます。これは、元々1分子だったDNAが、各サイクルで倍増するため、10回目のサイクルが終わると1024分子になるからです。
3. 1本鎖DNAに換算する理由
次に「1本鎖DNAに換算する」という部分ですが、これはPCRによって得られるDNAが両鎖の二本鎖であるため、1本鎖DNAを数える場合には単純に2倍にする必要があります。つまり、2の10乗分子が得られた場合、その2倍の数が1本鎖DNAに換算されます。これにより、1本鎖DNAは2×2の10乗、すなわち2の11乗の分子数になります。
4. 結論
PCRを10サイクル行った後に得られるDNA分子数は、最初の1分子から2の10乗、すなわち1024分子になります。そして、その後、この数を1本鎖DNAとして換算すると、2×2の10乗、すなわち2の11乗分子となることが理解できます。このように、PCRで増幅されたDNAの数はサイクルごとに指数的に増加し、1本鎖DNAへの換算によってさらに倍増します。


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