水素イオン濃度の計算と単位の理解について

水素イオン濃度を求める問題は、化学において非常に重要です。特に酸や塩基が水に溶けた時にその水素イオン濃度がどうなるかを理解することは、化学反応の理解に役立ちます。この記事では、具体的な問題を例に挙げて、水素イオン濃度の計算方法とその単位について解説します。

1. 水素イオン濃度とは？

水素イオン濃度は、溶液中に存在する水素イオン（H⁺）のモル濃度を示します。水素イオン濃度は、酸性の強さを示す指標として使用され、pH値と密接に関連しています。pHは、水素イオン濃度の負の対数であり、以下の式で表されます。

pH = -log[H⁺]

2. 硝酸（HNO3）水溶液の水素イオン濃度

問題1では、0.30mol/Lの硝酸（HNO3）水溶液の水素イオン濃度を求める問題です。硝酸は強酸であり、完全に電離するため、水素イオン濃度は硝酸の濃度と等しくなります。したがって、0.30mol/LのHNO3水溶液の水素イオン濃度は0.30mol/Lです。

答え：0.30mol/L

3. 酢酸（CH3COOH）水溶液の水素イオン濃度

問題2では、0.010mol/Lの酢酸（CH3COOH）水溶液の水素イオン濃度を求める問題です。酢酸は弱酸であり、完全には電離しません。電離度（α）が0.10であるため、酢酸が電離して生成される水素イオン濃度は、次の式で計算できます。

[H⁺] = α × [CH3COOH] = 0.10 × 0.010mol/L = 1.0×10⁻³mol/L

答え：1.0×10⁻³mol/L

4. 水素イオン濃度の計算における単位の理解

質問者が提起した疑問は、1)と2)の問題において計算結果がなぜそのようになるのかというものです。1)については、強酸である硝酸の水素イオン濃度はそのまま濃度と等しくなり、3.0×10⁻¹mol/Lではなく0.30mol/Lが正解です。2)については、酢酸のような弱酸では、電離度を考慮して計算する必要があり、0.0010mol/Lではなく1.0×10⁻³mol/Lが正しい計算結果となります。

5. 結論：水素イオン濃度の計算と単位のルール

水素イオン濃度の計算においては、酸が強いか弱いかによって計算方法が異なります。強酸の場合、電離はほぼ完全であるため、その濃度がそのまま水素イオン濃度になります。弱酸の場合、電離度を考慮して計算する必要があります。また、単位に関しては、mol/L（モル毎リットル）で表すことが一般的です。このように、酸の性質に応じて計算方法が異なることを理解することが大切です。