材料力学における温度変化による内部応力の求め方について、具体的な実例を挙げて解説します。今回は、直径10cm、内径8.0cmの管の両端を固定した場合に、温度が40℃上昇したときに生じる固定端の力を求める問題を通して、計算方法とそのプロセスを理解していきましょう。
温度変化による材料の膨張
まず、温度変化が材料に与える影響を理解することが重要です。材料は温度が上昇すると膨張しますが、その膨張を抑制する外的な力(この場合は固定端)が加わることで、内部応力が生じます。
問題の設定と必要な情報
問題文にある情報を整理しましょう。直径10cm、内径8.0cmの管があり、温度が40℃上昇します。さらに、ヤング率(E)として200GPa、熱膨張係数(α)として1.2×10-5/℃が与えられています。この情報を元に、管の内部に生じる応力を計算します。
計算式の導入
温度変化による膨張量は、次の式で求められます。
ΔL = α × L × ΔT
ここで、ΔLは膨張量、αは熱膨張係数、Lは管の長さ、ΔTは温度差です。しかし、問題では管の長さが与えられていないため、他の方法で解く必要があります。
内部応力の計算方法
次に、温度変化により生じる内部応力を計算します。管が固定されているため、膨張することができません。このため、膨張を抑制する力が働き、その結果として内部に応力が生じます。内部応力は以下の式で求められます。
σ = E × α × ΔT
この式を使って、応力を計算することができます。
実際の計算例
具体的に計算を行ってみましょう。まず、管の外周の長さを求める必要があります。外周は次のように求められます。
外周 = π × 外径
外径は10cmなので、外周は約31.42cmとなります。次に、温度上昇により生じる膨張量を計算します。その後、内部応力を求める式を使って力を計算します。
まとめ
温度変化が引き起こす内部応力の計算は、材料力学における基本的な問題の一つです。適切な式を使い、与えられた情報を整理することで、求めたい力を正確に計算することができます。今回の例を通して、温度変化による応力の計算方法を理解できたでしょう。


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