このページでは、選択公理を用いずに、実数の部分集合Rに対して与えられた条件のもとで、上界supRに収束する数列{xₙ}ₙの存在性を証明する方法について解説します。
1. 上界supRと数列の関係
まず、問題文で与えられた式「xₙ→supR (n→∞)」を考える際の重要な要素として、上界supRがどのような性質を持つのか理解することが不可欠です。上界は、Rの部分集合における最大の限界値を表します。
また、数列{xₙ}ₙは、この上界に収束するように選ばれるべきですが、選択公理を使わずにどのように選ぶべきかが鍵となります。
2. 選択公理を用いない場合のアプローチ
選択公理を使わずに数列を選ぶためには、与えられた集合Rの中から具体的にどの要素を選び出すかを決めなければなりません。実際には、次の条件が重要です。
- 各nに対して、開区間(supR−1/n, supR+1/n)にRの元が少なくとも一つ含まれている
- この区間から元を一つずつ選ぶことで、数列{xₙ}ₙが定義できる
この方法によって、選択公理を使うことなく数列{xₙ}ₙを作成できます。
3. 数列{xₙ}ₙの収束性の確認
選択公理を使わない方法で作成した数列が、実際に上界supRに収束することを示すためには、数列が定義される過程でsupRに近づいていくことを示す必要があります。
具体的には、xₙがsupRの近傍にどんどん近づく性質を持つことを数学的に証明することが求められます。具体的な証明手順としては、収束の定義に基づき、数列が任意のε > 0に対して最終的にsupR – ε < xₙ < supR + εを満たすことを示す必要があります。
4. 選択公理が必要ない理由
選択公理を使わずに、この数列が存在することを証明できるのは、実際にRの部分集合の構造に依存しているためです。上界を求める過程で、無限に小さな区間を選択しながら収束する数列を作り出すことができます。これにより、選択公理が必要ないことを示すことができます。
5. まとめ
選択公理を使わずに数列{xₙ}ₙの存在性を示す方法を、上界supRとその収束性に基づいて解説しました。この方法では、Rの中から数列の各項を選ぶ過程を明確に定義することで、選択公理なしに数列の収束を証明することが可能です。


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