二十二史劄記の嘉靖中倭寇之乱: 書き下し文と現代語訳の解説

文学、古典

「二十二史劄記」の嘉靖中の倭寇之乱に関する記述について、書き下し文とその現代語訳を解説します。この文章は、当時の歴史的背景と倭寇の活動を知るための重要な記録です。

原文の書き下し文

原文は以下の通りです。

「閩人李光頭、歙人許棟踞寧波之雙嶼為之主,勢家又護持之。或負其直,棟等即誘之攻剽,負直者脅將吏捕之,故泄師期令去,期他日償,他日負如初,倭大怨,益剽掠。」

書き下し文

この原文を漢字に直すと以下のようになります。

「閩の人、李光頭、歙の人、許棟、寧波の双嶼を踞えてこれの主となる、勢家またこれを護持す。或いはその直を負い、棟等即ちこれを誘いて攻めて剽する、直を負う者は将吏を脅してこれを捕え、故に師期を泄し命令を去らしむ、期して他日償い、他日負うこと初めに如し、倭大いに怨み、益々剽掠す。」

現代語訳

現代語訳は次の通りです。

「閩(福建)の李光頭と歙(浙江)の許棟は、寧波の双嶼(島)を占拠し、その地を支配していました。彼らは勢力を持ち、その地を護る力もありました。ある者はその直(仕事)を背負っていたが、棟らはその者を誘い、略奪を始めました。直を背負った者は、将軍や官吏を脅してその者を捕らえました。そのため、倭寇(海賊)は師の命令を守らず、計画を破り、他の日に償うと約束しましたが、その後も約束を守らず、倭寇は大いに怒り、さらに略奪を繰り返しました。」

解説と背景

この記録は、嘉靖年間の倭寇の活動について述べており、李光頭や許棟などが寧波の双嶼を占拠してその支配権を確立した様子を伝えています。倭寇は、海賊行為を行っており、地元の勢力や政府に対してさまざまなトラブルを引き起こしていました。この記述では、倭寇が無秩序に略奪を行い、その結果、官吏や指導者の命令が効かなくなった状況を描いています。

まとめ

「二十二史劄記」のこの一文は、当時の倭寇の活動とその影響を理解するための貴重な資料です。書き下し文と現代語訳を通して、歴史的背景と当時の状況をより深く理解できるようになります。この記録からは、倭寇の暴力的な活動と、それに対する地元の対応が如何に困難であったかが伺えます。

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